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日本アカデミー賞アニメ部門受賞作品『この世界の片隅に』広島の悲劇を問う問題作

原作は「こうの史代氏」の同名漫画です。舞台は丁度アメリカに原爆が落とされた時代の広島です。日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を代表するように数々の栄冠を得た作品です。

同年大ヒット作「君の名は。」を抑えて栄冠に輝いたことは素晴らしい功績だと思います。そしてこの作品は世界60カ国で公開されるに至りました。

『この世界の片隅に』あらすじ

広島県広島市に生まれた「すず」は、年頃になり、広島県呉市の軍法会議などで書記官を務める北条秀作に嫁に来て欲しいと頼まれます。すずは不安な気持ちもありながら北条家に嫁ぐ事になります。しかし、軍港のある呉市には容赦ない米軍の空爆が襲い掛かります。

そして、不発弾の暴発により大切にしていた姪の晴美とその手を繋いでいた右手を同時に失ってしまいます。精神が没落したすずに降りかかった事件は広島市で起きた原爆投下でした。里帰りすると跡形も無い故郷の姿がありました。

小さな女の子に右腕がない事でお母さんと間違えられ、秀作とすずはその子を連れて呉でやり直すことを決意します。

『昭和の女性像として、理想的』

テレビドラマ化され話題に上った今作は、映画史上類を見ない美しいドラマティックな展開になっています。しかし、美しいのは秀作やすずの心であって、物語そのものは戦争の描写と困難な生活が描かれており、悲惨な時代という印象は否めません。

なぜ批評家の評価が高いのかという問題については、日本という国が忘れてはいけない戦争の恐怖とそこに生きる人たちの掛け替えのない美しい生活、失ってはいけない風景を絶妙に表現しているからでしょう。

 

ストーリーを通してすずという女性が自分では何も決めていないのが印象的であり、それでも健気に正直に、自分が失ってはいけないものを深く見つめている姿が昭和の女性像として、理想的だったのだと思います。鑑賞した人にとっても心が洗われるような作品です。

 

 

文章:Shinichiro.S

 

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