宇宙で巻き起こる恐怖の瞬間
基本的なストーリーとしては、シンカムという企業から委託された、宇宙探査のための片道20年の宇宙への旅の中でエイリアンやシンカムが送り込んだ猫のロボットなど様々なイベントを通して、主人公が今自分に陥っている状況といかに向き合うのかを予想し垣間見るタイプのホラーアニメです。
随所に凄惨なシーンはあるものの、ゆったりとした宇宙空間での心理的描写が多くとても観やすいアニメです。
ちなみにモンスターデザインは「ファイナルファンタジー」シリーズで有名な天野義孝さんが務めています。
パニックアニメーション
ハリウッド映画『エイリアン』のように監獄化した宇宙船に孤立する13人のパニックの様子をアニメ作品に表現したのがこの作品です。
あっけなく13人は2人になり犠牲になった乗組員はエイリアンの何らかの能力のせいで、半獣化してしまいます。
主人公は果たして無事に地球に帰還することができるのでしょうか。
生物兵器の脅威
地球外生命体と謎のバクテリアというのがキーポイントになるこの作品、執筆時点でコロナウィルスに関するニュースが連日放送されているような状況で、とてもデリケートな問題だなとまず、思いました。
ヒトの戦争でも最も残酷と言われるのが「性暴力という名の兵器」と「生物兵器」です。エイリアンという存在にはそもそもこの二つのリスクが潜んでおり、ホラーアニメのテーマとして極限を語っているなと思いました。日本のクリエーターはこうした近未来を風刺した表現をするのに長けており、先見の明があるといわれてきました。
まとめ
未だにリメイクや実写化が切望されている作品です。ホラーアニメの中では群を抜いたリアリティー作品といわれており、原作者の鳥海 永行(とりうみ ひさゆき)氏は『科学忍者隊ガッチャマン』で演出を務めるなど以前から実績を積んだアニメーターです。監督としては『ダロス』にて押井守監督と共演もしています。
こうした経験が実になり、今作では原作と監督を同時に手がけるなどその名前が一つのブランドにもなりました。鳥海さんと天野さんのコラボレーションは歴史的な作品を生み出しました。ぜひ一度チェックしてみてください。
文章:Shinichiro.S