出典:© 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N
『魔女の宅急便』は、宮崎駿監督によるアニメーション映画です。人間との共存をテーマにした今作では魔女のキキの純粋な心が描かれています。
松任谷由実の楽曲提供も話題になり、いつの時代の子供が見ても心に響く作品になっています。
あらすじ
魔女の家に生まれたキキは掟(おきて)通りに13歳の満月の夜に修行を積むために旅立ちます。条件は、他の魔女が住み着いていないこと。旅のお供には黒猫のジジがいます。突然の嵐の中、貨物列車に滑り込んで雨宿りします。
そのまま眠ってしまい翌朝起きると綺麗な海沿いの街が見えてきます。時計台の管理人さんに聞くとこの街に魔女はいないといいます。「ちょっと大きすぎるよ この街」というジジの助言を無視してこの街で修行するキキは心のバランスと魔女である自意識により試練を受けることになります。
感想
魔女のキキにとって試練となったのは心の病から、魔力が弱くなって、今までは聞こえていたジジの声まで「にゃー」としか聞こえなくなってしまったことです。キキ自身も原因がわからないまま、ただ、宮崎駿氏が伝えたかったのは汚れのない少女が自分の本来の心の美しさを見失ってはいけないということだったのではないでしょうか。
ジジの命の恩人になった画家ウルスラとの出会いはキキにとって大切な思い出だったようです。「私も大切な絵が描けなくなったときがある」「それは今も同じ。でもね、そのあと、少し絵を描くってこと、わかったみたい」というアドバイスは答えとしては完璧ではないかもしれませんがキキの不安を解いてくれた一言だったようです。
文章:Shinichiro.S