出典:©桐丘さな/集英社・大正オトメ御伽話製作委員会
交通事故で母親を失い、右手の自由も失った志磨珠彦(しま たまひこ)は、父親から見放され、若くして千葉の別荘で、悲観にどっぷり浸かった隠居生活を送っていた。
大晦日の夜、珠彦の父親から「嫁(つがい)にせよ」と送り込まれてきた立花夕月(たちばな ゆづき)の甲斐甲斐しく尽くす姿に、彼の心境にも変化が現れる。
親から借金のかたに売られた夕月と、親から捨てられた珠彦との大正スローライフ。
珠彦を心配して夕月をよこしたのはいらぬ心配だったかのように・・・いや、まるで父親をあざ笑うかのように、次から次へと女性が押しかけるうらやま展開が待っていたのだ。
渥美 綾(あつみ りょう)
彼女は珠彦の懐から、夕月から誕生日プレゼントされたばかりの手作りの栞を財布ごと盗んでいきました。
盗まれたことを正直に告げる勇気がない珠彦は、栞を返してもらう代わりに、しばらく綾の弟たちの勉強を見ることに。
こっそりと足しげく綾の元に通うその姿は、愛人宅に通い詰める男そのもの。
夕月に発見され、無事に深い疑惑を残していきました。
白鳥 ことり(しらとり ことり)
珠彦が復学した学校で、友人になったクラスメイト白鳥 策(しらとり はかる)の妹は実は、夕月も大ファンの人気アイドル歌手であった。
彼女は、二人を励ますために珠彦と夕月の元にも馳せ参じ、爽やかな歌声を残していきました。
志磨 珠子(しま たまこ)
突然押しかけてきた珠彦の妹。
小姑きどりで嫌味たらたらも・・・夜中、トイレに向かう途中、雷の音に驚いて床の上にお漏らし。
夕月とお風呂に入って体を洗っている隙に、騒ぎに気付いて起きてきた珠彦が、床が濡れているのを発見してからの「なんだこれは?」>ペロリ・・・という超展開もその裏であったのかもしれない。
このように、彼女は「もしかして・・・」という疑念を残していきました。
気高く厳格なお父さんですが、そこは人の親。
珠彦のことを心のどこかで心配する向きもあることでしょう。
だが、本人も意図するところではないかもですが、知らないところで妾候補がこんなにもいてリア充していると知ったときの反応を見てみたい気がします。
文章:ヒトツメロバ