出典:©志水アキ・京極夏彦・田村半蔵・講談社/「中禅寺先生物怪講義録」製作委員会
◆なぜ事件を解決するのか?そこに守りたい本があるから。
戦争の傷跡が残る昭和23年。
東京都立美戸川高校の旧校舎には、秘密部屋(図書準備室)がある。ここに、GHQの検閲に掛かりそうな本を、隠しているのだ。この場所を誰にも知られてはいけない。絶対に。
前任者から引き継ぎ、本を守る国語講師・中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)とその仲間たちの「秘密部屋に人を近づけさせない」ための学校の怪談作戦とは?
さまよう人影
「夜の旧校舎にオバケが出る。それを見たものは死ぬ!」
そんな噂を知りながら、学生カップルが旧校舎に入り込んだ。そしてオバケを目撃する。
「死ぬ!死ぬ!」と騒いでいるカップルを鎮めるために今度は日下部栞奈(くさかべ かんな)がひとり、夜の旧校舎へ。
実は、そのオバケは人が秘密部屋に近づかないよう、中禅寺先生が演じていたものだった。
壁の中から
栞奈が、バスの中で拾った財布。
乗客3人が「我こそが持ち主」だと名乗り、困っていたところ、鋭い洞察力で本物の持ち主を言い当てたのが、たまたま乗り合わせていた中禅寺先生だった。
この一件以降、栞奈は難解事件がある度に、秘密部屋の中禅寺先生の元を訪れる。
他者にしてみれば、
「壁の中から人の話し声がする!」
旧校舎の13階段

出典:©志水アキ・京極夏彦・田村半蔵・講談社/「中禅寺先生物怪講義録」製作委員会
「深夜0時になると12段の階段が13段になっている。その13段目を踏むと異界に連れ去られる!」
生徒たちが噂の真相を確かめるために、夜の旧校舎にやってきた。
秘密部屋の存在を知られたくない栞奈たちの機転で、教壇を運んで13段目に仕立てる。こうして恐怖を煽り、旧校舎に近づかせなくする。
「もうここには来ないように」と言い渡しているにも関わらず、栞奈は事件が起きる度、知恵を借りにやって来る。
人の過去を見通す能力者で、旧友の榎木津礼二郎(えのきづ れいじろう)も面白そうな匂いを嗅ぎつけてやってくる。
中禅寺先生の妹も出入りしている。
怪談話をでっちあげ「人を近づけさせない」ミッションは、とっくに破綻している。
この状況でも、「この世には不思議なものなどない!」が信条の中禅寺先生が一番の不思議である。
文章:ヒトツメロバ





































