漫画・OVA・映画で公開されたこの作品ではメカニックデザインに注目です。「1年戦争末期」という時代設定にも関わらず、かなり進化した形のガンダムのデザインに出会うことができます。「極端に合理化した」と言われるデザイン性は初代ガンダムの世界観に絶妙に溶け込んでいます。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』あらすじ
宇宙世紀0079年12月、連邦軍の攻勢が強まる中、ジオン軍の拠点はア・バオア・クーを残すのみになっていました。連邦軍はジオン軍の補給路『サンダーボルト』を制圧するために多くのモビルスーツを送り込みますが、ジオン軍の最後の戦いはそう易々と突破できません。連邦軍の「フルアーマーガンダム」、ジオン軍のリユース・サイコ・デバイス搭載「サイコ・ザク」、そして連邦軍の新型MS「アトラスガンダム」を交えてジオン軍の最終戦争は佳境を迎えようとしていました。
『モビルスーツのデザインに注目!』
やはり今作の見所はモビルスーツのデザインでしょう。サイコ・ザクなどは一見、普通の赤ザクですが劇中では、いろんなメカニックが混在して完全防備といったところです。「機動戦士ガンダム」に出てくる「1年戦争」の只中にシャア以外に赤ザクのモビルスーツを操る人間がいること自体が斬新な設定です。
この作品は2015年に公開されたものなので、原作者の富野由悠季が率いるデザイナー集団がガンダム創世記時代からのファンの熱を再び取り戻すために仕組んだ粋な計らいとも見受けられます。対するガンダムのメカニックデザインの進化にも注目です。
そして、宇宙編ア・バオア・クーから地球のインド洋に行き最後は月の裏にあるアナハイム・エレクトロニクス社にまで戦火が及ぶこの作品は美しく3段階の展開が区切られており、何度見ても楽しめる作品になっています。
文章:Shinichiro.S