舞台は長野県上田市であり、ど田舎の設定になっています。主人公は小磯 健二(こいそ けんじ)であり、声優を神木隆之介さんが担当しています。小さな町の最高の頭脳がOZのネットワークを護ろうとしていました。少年達の一夏の冒険を描いた細田守監督の代表作です。
数学の天才
主人公の健二は高校2年生です。まだまだ遊び盛りの歳なのに本人は体を動かすより数学に夢中です。そして、あと一歩で数学オリンピックの日本代表の座を逃しました。とにかく天才的な学力でコンピューターを軽々とハッキングして見せる姿が印象に残ります。そして夏休みの間は、友人の佐久間 敬(さくま たかし)と共に仮想世界OZにおけるメンテナンスのバイトに明け暮れます。世界中から人々が集い、それぞれのアバター(分身)を使って遊びからビジネスまでを網羅するのがOZという世界です。この世界にはリスクも伴います。ある日AIが暴走し‥
人間界の天才はAIの鴨
夏休みにアルバイトの高校生が、AIに乗っ取られた世界中に広がるネットワークを救うというストーリー自体が強固な骨格を表しており、とても解りやすい物語です
実はこのOZという世界が暴走したきっかけは、健二が謎のメールの暗号を解いてしまったことが原因でした。その暗号はOZの管理権限を決定づけるパスワードだったのです。しかも乗っ取ったのはAIでした。影響はOZの範疇を超え社会全体のインフラにまで及ぼうとしていました。
助けてくれる仲間がいる
天才でありながら、どこか常に油断している健二を助けてくれるのは憧れの先輩である夏希さんです。これはこれで結果的に、青春群像劇として成立しているのも気持ちがいいです。
鑑賞者はスクリーンを見つめ健二の勝利を願います。スクリーンの中の世界も同じように健二の操るネットワークの世界に一喜一憂します。この二重構造があるからこそ、作品を観る人の没入感が倍増するのでしょう。
文章:Shinichiro.S