話題作となった『心が叫びたがってるんだ』は埼玉県の秩父を舞台にした青春ストーリーです。フジテレビ系列で活躍したアニメスタジオが公開した映画で、 第19回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・審査委員会推薦作品にも選ばれています。

『心が叫びたがってるんだ』あらすじ

物語の主役成瀬順は、小さな頃に父親の浮気を「お城（ラブホテル）から出てくる王子様とお姫様」と思い込み、それを母親に伝え離婚を招いた、というトラウマがありました。そして、玉子の妖精により口を封じさせられてしまったのです。学校でもほとんど友達はいなくて先生に指名されても声を出すことがありませんでした。

そんな折、「地域ふれあい交流会」実行委員に指名された順は、「喋ることはできなくても歌なら歌える」とミュージカルを開くことを提案する。生徒たちは困惑しつつも交流会当日まで協力するのですが‥。

『思春期の尊い感性が痛いほど伝わる感動作』

交流会のテーマについて口を開いた順は、その代償として腹痛に襲われました。いつも助けてくれたのは、クラスメイトの拓実でした。心の中で、「私の王子様‥」と呟く順の姿がありました。いよいよ交流会当日になり準備ができた時に、突然順は行方をくらまします。拓実は順を探しにいきます。そして場所はラブホテルの廃墟です。すると喋ることはできても歌が歌えない順の姿がそこにはありました。

原因は菜月と拓実が密かに付き合っていることに気づいたことでショックを受けた順の精神状態が招いたことでした。順にとって心のターニングポイントになるのであろうこの事態に拓海の説得は順の心をほぐすことができるのでしょうか。

思春期の尊い感性が痛いほど伝わる感動作です。

文章：Shinichiro.S