出典:©手塚プロダクション
昭和を代表するフェミニン系のアニメーションが『リボンの騎士』です。「男装の麗人」というテーマは昭和の時代に大きな流行を生みました。男の心と女の心を持つ少女の物語であり、和製ジャンヌ・ダルク的なストーリー展開が若者達から圧倒的な支持を受けました。
『リボンの騎士』あらすじ
男の心と女の心を持つ少女「サファイア」は一国の王女です。王位継承権の問題で男の子として育ったサファイアでしたが、隣国ゴールドランドの王子・フランツに恋をすることになります。初めて王子と会ったのが舞踏会です。
サファイアは「亜麻色の髪の乙女」として登場します。その後、正義の剣を振るう場面では「リボンの騎士」という形を取っています。そのため、継承権の問題と恋をしてしまった現実により、サファイアの将来は混沌を極めていました。
『男の子でも楽しめる!』
『リボンの騎士』が誕生したきっかけは手塚治虫と宝塚歌劇団の密接な関係によります。そして、手塚治虫がこの作品を書いたのは、まだ20代の頃でした。原作では、のちにフランツ王子と結ばれ、二人の間に2代目のリボンの騎士が誕生するなど手塚氏なりのポジティブさが溢れているシリーズになります。
当時はカラーテレビが普及して間もない頃だったことも含めて子供から大人まで垣根なく楽しめる人気作品になりました。男の子でも「フランツ王子よりサファイアに共感する」という声は多かったようです。
基本的には一話完結で展開されていましたが後半は帝国連合軍との戦争など、切迫した緊張感のあるストーリー展開へと変化していきます。
文章:Shinichiro.S