出典:(C)松本零士・東映アニメーション
文化庁推薦のアニメ『銀河鉄道999』は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に強いインスピレーションを受けた作品です。原作は以前から注目されていたアニメーターの松本零士氏です。
原作の漫画とは異なる場面が多く、TVで子供達が視聴するのに適した改訂が行われています。
『銀河鉄道999』あらすじ
舞台は銀河系の星の数々です。主人公の鉄郎はまだ10歳の時に両親を亡くしています。凍え死にしそうになっている時に年上の女性「メーテル」に助けられます。機械伯爵という宇宙の貴族は母を殺した後そのまま剥製にしています。機械伯爵は殺しを楽しんでおり、コレクションまでしていたのです。
メーテルは、機械帝国の女王プロメシュームとドクター・バンの娘です。しかも、メーテルはラーメタル人であり数万年に近い寿命を持っている機械人間です。全く生い立ちの違う2人ですが銀河鉄道で旅をしていくうちに、絆を深めていきます。メーテルの本当の目的とはなんなのでしょうか。
『母性を破壊してしまう機械がキーポイント』
オリジナルのTVアニメなどで有名な「キャプテンハーロック」が指名手配されています。ハーロックの親友「トチロー」の存在感も抜群です。『銀河鉄道999』ではこうした他の作品とリンクするようなシーンが多く、何度も鑑賞し直すファンが多くいます。
何度も映画化されていますが999といえばテレビ版の鉄郎の印象が強いでしょう。「ドクターバン」という母性を破壊してしまう機械がキーポイントになってきます。人間と機械人間の関係性を深く掘り下げるアイテムです。
鉄郎は旅をする中で機械人間のメーテルに強く感化されますが、最終的には機械人間になって長く生きるより、人間として彗星の如く人生を全うすることを選びます。主人公が多くの謎を抱えていて、なおかつ自立しており、お互いに適切な距離で心を通じ合わせる松本零士氏ならではの名作になっています。
文章:Shinichiro.S