八神ひろき氏の原作漫画が話題になり一躍スポーツ系青春アニメのトップをひた走る存在になりました。この作品のデザインは1990年代を象徴するものであり、キャラクターデザインやバスケットに対する見解が大きな反響を呼びました。
主人公は哀川和彦(あいかわ かずひこ)という少年ですが様々なキャラクターたちの躍動する姿は、感動を呼び、当時中学生だった筆者も髪型を真似したりしていたことを思い出します。非常にファッショナブルで、試合の様子も淡々と描かれており刻々と読みふけることのできる作品に仕上がっています。
この作品は八神ひろき氏の出世作であり、しかし、同氏はその後これといって代表作のないま『DEARBOYS 』だけが独り立ちしている印象です。
スポーツアニメの王道をゆくストーリー
舞台は神奈川県にある進学校(文武両道をテーマに挙げる高校)です。この高校は名門でありながら、暴力事件で、部員4人(試合ができない少人数)という状況が続いていた最中、今作の主人公哀川和彦の転入により、再び全国制覇を祈り戦う姿を追ったものです。
流行に左右されない美しいキャラクターデザイン
アニメ版では作品の魅力が最大限生かされるように非常に繊細なタッチで描かれていました。
筆者は髪型を意識していたと述べましたが、今振り返ってみるとまた違う側面が出てきて、視聴者の成長にしっかりついてきてくれるスタンダードな印象の強い作品だということがわかります。(当時は『スラムダンク』が王道で『DEARBOYS 』がキワモノだと思っていました)。
「瑞穂高校」を舞台に鮮烈に描かれるバスケットのシーン、そしてなんといってもバスケットボール部廃部の危機から、頂点に上り詰めるための絶え間ない努力が見られることが筆者がこの作品に惚れた理由です。
原作漫画を検証
ここで、原作漫画について少し触れておきたいと思います。やはり同時期に週刊少年ジャンプで連載された『スラムダンク』との比較が読者の興味の軸になってくると思います。筆者の感想では『 DEARBOYS 』の方が大人向けであり、純度の高いバスケットボール・アニメになっている印象があります。そして創刊が『 DEARBOYS』の方が一年早いというのもつい最近知った事実です。
そういえば当時はバスケットが流行ったな、と。この二つのアニメは中学校でも話題になり我々に強い影響を及ぼした作品だったな、と改めて振り返ると、感慨深いです。
ロングラン
再び原作漫画の話になりますが、『DEARBOYS 』は26年間連載されており、初期の作品では主人公は高校生でしたが、のちに中学時代の物語が独立した作品として紹介されるなど、読者のニーズに応える形で様々なサイドストーリーが肉付けされました。そしてアニメ版では、原作の表紙にあったような鮮やかな色彩のカラーリングが実現し、とてもファッショナブルで一つのカルチャーを形成するといっても過言ではない程の功績を残したのです。
クオリティーの高いスポーツアニメ
この作品を観てバスケットを深く知ることになった視聴者は多いと思います。わかりやすく戦術の解説もしっかりしているので、やはり純度の高いバスケットボールアニメという印象が強いです。
筆者がこの作品と出会ったのは中学生の時ですが小学生が見ても十分に要領が把握できる骨のある作品だと思います。是非こういった骨格のしっかりした質の高いスポーツアニメに再び出逢いたいと思っている今日この頃です。
文章:Shinichiro.S