出典:©2022 高山理図/MFブックス/「異世界薬局」製作委員会
落雷を受けて以降、宮廷薬師の名家ド・メディシス家の次男ファルマの様子が変わった。
彼の中に、国立T大学大学院の若き天才薬学者・薬谷 完治(やくたに かんじ)が宿ったのだ。
もともと持ち合わせていた異能の神術に現代薬学知識が加わり、ファルマは10歳にして薬神と呼ばれるまでになる。
そんなわずか10歳の彼が、街で薬屋を開業するという。
我々一般市民が、気を付けるべきこととは?
お医者さんごっこではないのか?
エリザベート二世女王陛下の結核を治したことで、勅許を得て「異世界薬局」を開業するという。
10歳で薬局を開業?!
店で働くシャルロット・ソレル(ロッテ)に至っては、なんと9歳!
「9歳が救済」ってダジャレで笑いを取るつもりなのだろうか?
子供のお医者さんごっこに付き合わされる暇なんてない!
一般市民を見下しているのではないか?
ファルマは貴族のぼんぼん。
そんなファルマが経営する薬屋とか、道楽商売じゃないのか?
お値段も貴族価格で「お値段異常」ってことにならないのか?
いろいろ疑わしい目で見られるからと、丁寧な説明文を書きこんだ看板を掲げたようだが、この世界は識字率は低い!
そのことをファルマが知らないわけがない!
やっぱり一般市民をバカにしてるのだろう!?
ファルマは異物ではないのか?
なぜかファルマに影がないのだ!
本当のファルマは、あの落雷で死んでいるのではないか?
異端審問官たちもそのことに気づき、対応にむかったらしいが・・・
妙に丸め込まれて戻ってきた。
その後もファルマは杖で空を飛んだり、壁や木をすり抜けたりしているのだ。
やっぱりおかしい!
魔女狩りを起こすべきは今ではないか?
とうとうファルマの手にかかった者がでた
彼の名は、カミュ・ド・サド。
何匹ものモモンガを飼育していた動物愛溢れる男だ。
そのモモンガを街の愛玩動物にしようと放したところ「バカにつける薬はない!」とばかりにファルマによって爆死させられた。
異世界薬局は裏で、爆薬も製造しているのか!
なんだかんだ言っても、異世界薬局の薬が効くのは事実。
今後、いろいろな疫病がわれわれを襲うこともあるだろうし、異世界薬局を用法用量を守って利用していきたいものだ。
だが、それ以上に我々一般市民が心に止めておかなければならない事実がある。
それは我が国の女王陛下の正体が「グビ姉」であるということだ。
文章:ヒトツメロバ