出典:©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
主人公は竈門炭治郎(かまどたんじろう)。鬼の血を患部に浴び鬼になってしまった妹・禰豆子(ねずこ)を持つ剣士です。この物語の単行本原作漫画は完結しているのですが、人に聞くとハッピーエンドだったと答える人もバッドエンドだったと答える人もいます。
妹を人間に戻すために鬼殺隊に入隊し、鬼から情報を得ようとする炭治郎ですが、その方法に関する情報は皆無、次々に襲いくる鬼を特殊な剣で滅ぼすことしかできないままでいました。
帰郷
前回の放送では師匠の鱗滝左近時(うろこだきさこんじ)が封印した巨大なモンスターを強襲し隙の糸によりとどめを指した炭治郎でした。自分と同じように鱗滝の元で修行を受けこのモンスターに喰われた何人もの亡霊たちはようやく成仏します。そして憎むべき鬼のモンスターの顔と手が消えかけた瞬間、炭治郎は優しく鬼の手を握ります。
あなたにも人間として生きた少年時代があるのだから人として成仏してください。手を包まれた鬼は涙を浮かべながら消えて行きます。二十数人いた挑戦者も最後には4人になっていました。鬼殺の剣を造るための鋼を選んで、鱗滝と禰豆子の元に帰る炭治郎。3人でハグをして生き延びたことを喜びます。
禰豆子は、鱗滝の話によると「人の血肉を喰らう代わりに寝ることで体力を回復する体質らしい」という事がわかります。
赫灼の子
アニメだとよくわかる繊細な描写、炭治郎は赤毛に赤眼です。鍛冶屋曰く「赫灼(かくしゃく)の子と呼ばれるもので鍛冶などの火を使う家柄では縁起が良いとされている」のだそうです。
鍛冶屋が運んできた刀は日輪刀という刀でした。持ち手によって、色が変化するという日輪刀ですが、炭治郎の場合は漆黒でした。因みに、赫灼とは光り輝いて明るい様のことらしいです。
まとめ
今のところ、炭治郎の優しさは裏目には出ていません。鬼を成仏させるために、僧侶のような役割を果たしています。今回注目すべきはモンスターの回想シーンでしょう。
炭治郎に付き纏う弟のように、モンスターにも、かつて頼れるお兄ちゃんがいたのです。運命の歯車を狂わせたのは、恐らく鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)という男だと思われます。
禰豆子を鬼にした男です。そういった意味で炭治郎の心情はとても冷静で丁寧です。この先の炭治郎の精神状態が気にかかります。
でも結局禰豆子のおかげで、ちょっと若すぎる大人な炭治郎の姿は変わらないんだろうなと思っています。
文章:S.Shinichiro