シード校の千束高校を、あと1歩のところまで追いつめた多摩川高校の続きを書いていきます。part1はこちら
ナインの不満
君島監督は多摩川ナインに、ベースランニング、ウェイトトレーニングなどをするように命じます。連戦に耐えうるだけの体力をつけるのを目的としています。
トレーニングを続けていたナインは徐々に不満を募らせていきます。監督の真の意図を理解していない部員はボールを使用した練習をしたいのであって、基礎トレーニングをやりたいわけではないと考えるようになります。
ナインは監督にボールを使った練習をさせてほしいと直訴します。君島は不満を持ち続けたままのトレーニングは最大限の効果を得られないと考え、ナインにボールを握った練習を許可します。
ボールを使った練習でキャッチボールの球の伸び、パワーの増加、軽快なフットワークによりトレーニングの効果を実感します。監督のいうことは間違っていなかったと確信し、ナインは指示された練習を黙々とこなしていきます。
VS尾山台高校
南東京大会の地区予選一回戦を迎えます。初戦の相手はこれまで本戦、練習試合で勝利したことのない尾山台高校です。
多摩川高校は一回表の相手の攻撃を三者凡退で終わらせるも、監督は不満の表情を浮かべていました。野中ゆたかを除く多摩川ナインが相手に委縮して、極端なシフトを敷いたためです。これまでの苦手は忘れて、自分たちの力を信じるようナインに激を飛ばします。
一回裏の多摩川高校の攻撃を迎えます。尾山台は多摩川高校をダメ多摩となめていたので、エースではなく補欠のピッチャーを登板させます。これまでの対戦戦績から、これで問題ないと思っていたのでしょう。
多摩川高校はヒットの直後に不運なダブルプレーで2アウトとなったものの、三番打者はツーベースヒットを放ちました。これまでの様子と異なることに気づいた、尾山台の監督は慌ててエースを登板させます。
尾山台のエースと相対するのは、四番に入った野中ゆたかです。千束戦ではホームランに加え、フェンス直撃のツーベースを放っている打者です。
野中ゆたかは相手エースの決め球であるシュートを捉え、バックスクリーンに運びます。多摩川は二点を先制することに成功しました。
その後は相手のエースを滅多打ちにして、三回裏の途中で13対0と大量リードします。
ツーアウト1、3塁で三番に打順が回ってきました。三番打者は野球生活で初めてのホームランを記録し、16対0の三回コールドで多摩川高校は初戦を飾ることとなりました。
今回は主要な登場人物を最後に付け加えたいと思います。
野中ゆたか
多摩川高校の4番ピッチャーです。非凡な打撃センスを備えており、長打を放つこともできます。
ものまね効果なのか打撃力はかなりの領域に達しています。多摩川高校の攻撃のほとんどに絡んでくるキャラクターです。
投手としての球速(球威)はさほどではないものの、針を糸に通すようなコントロールを武器としています。
スライダー、カーブ、フォーク、シンカー、シュートなどといった多彩な球種を必要に応じて投げ分ける器用さを備えています。
文章:アニメクン