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高橋留美子作品の変遷

【高橋留美子さんの引き出しの多さに感動!!】

先ず、高橋留美子さんは漫画家です。デビュー作品の『勝手なやつら』はアニメ化さえしていませんが、その世界観の確固たる佇まいは、のちのアニメ『うる星やつら』にも影響を与えました。

人魚シリーズも描いており、『人魚の森』では独特な世界観と共に彼女のユーモアセンスの真骨頂を表した印象がありました。とにかく多彩なキャラクターを生み出す作家さんです。

【確たる情感を含みながらも変貌する作品群を紹介します】

作風を見て、一番端と端の作品と思われるのは『らんま1/2』と『めぞん一刻』かもしれません。『勝手なやつら』で1978年にデビューし、2年後の1980年に『めぞん一刻』を発表しています。

当初は優しいラブコメディーを描いていましたが、自身の作品(めぞん一刻)がテレビアニメ化されたのをきっかけに、もっとアニメに向いたスタイルがあるのではないか、と刺激を受けたようです。

それからは登り調子でファンタジスタ感が強くなっていった印象です。だからといって漫画が脚本的になるわけでもなく、それぞれのメディアで独立した形で楽しめる、魅力的な作品になっていると思います。

【フェミニズムは武器であり必然】

『人魚の森』などの作品から見て受けられる作風として、男性側からも女性側からも高い評価を受ける描写が特徴的であったと思います。そして時代はフェミニズムという新しい風を若者文化に根付かせたのです。

 

『らんま1/2』で見られるフェミニズムは高橋留美子さんにとって必然の変化だったように思います。この作品でサブカルチャー的立ち位置から一気にファミリー層を取り込む有名作家になりました。

『うる星やつら』で既にギャグ漫画のような、コメディーの真骨頂を見せてはいましたが、青年向けのアニメという印象が強く支持基盤が不安定な側面もありました。

『らんま1/2』で昇華したユーモアセンスは明らかに少年少女向けであり、したたかにお茶の間の話題を占領しました。

これらの作品を描いてきた経験は、確固たる実力として集約され、のちの『犬夜叉』に引き継がれます。この作品のストーリー展開は従来よりもさらに世界観に深みを増した印象を残し、かごめ(神社の娘)と犬夜叉のロマンスも含めたユーモアたっぷりのアドベンチャー作品になっています。

 

【高橋留美子さんの歴史は子供の成長を見守るような暖かな刻の流れ】

高橋留美子さんの作品には明らかに進化の形が見られますが、決して初期の作品が劣っているわけではないのです。作者が何を描きたいのかがストレートに伝わってくる初期の作品に対して、後期の作品では視聴者がどんな展開を見たいのかという需要に応える作風になっていき、最終的に研究され尽くしたような深みのある世界観が出来上がるのです。

まだまだ新境地を開拓することを諦めてほしくない作家さんの一人です。

 

文章:Shinichiro.S

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