ジブリ作品はもはや国民的アートでありファミリー向けの道徳養成機関です。もちろん魅力的なヒロインは不可欠であり、しかしながら描き手の願うような紳士で勇気ある心で持って判断しなければ、失礼に当たるのも確かです。
今回このようなランキングを書いてみようと思ったのは、もし自分にもジブリ作品に出てくるヒーロー達と同じような道徳心があればこそ、どんな女性を守りたいか、といった観点から生まれた自己啓発の精神からくるものです。
世界に希望の輪を届けたい
ヒロインという役どころは、ファンタジーアニメーションの場面で圧倒的に世界観を表現する力を持っています。特にジブリ映画に関してはそれが徹底されています。
つい最近、デニス・ムクウェゲというアフリカ・コンゴの産婦人科医の物語をNHKで見る機会がありました。現実の世界ではあまりにも無残な暴力が無視され続け精神的破壊がまかり通っているのです。デニス氏は性暴力を破壊兵器と呼びます。そんな中で我々の目に焼き付いたのは蟲との共存を願う姫様の物語であり、文明科学というリスクから自らの手で永久に解き放たれた王女の姿でした。とにかくアグレッシブな権力者としての女性像です。この先の未来に向けて女性の地位向上は必然と言えるものになるでしょう。未来を舞台にした作品は攻殻機動隊もアップルシード も主役はいつも女性です。これからの時代が日本を、そして世界を平和にするためのものになることを願いつつ、ヒロインのランキングを見てみましょう。
ジブリ作品の魅力的なヒロイントップ5
1位 シータ『天空の城ラピュタ』
2位 サン『もののけ姫』
3位 ナウシカ『風の谷のナウシカ』
4位 キキ『魔女の宅急便』
5位 フィオ・ピッコロ『紅の豚』
リアリズムでいえばフィオ・ピッコロがダントツの1位かも知れません。女の子の整備士って魅力がありますよね。筆者は工業高校の出身でクラスに4人しか女子がいなかったので益々工業系女子の逞(たくま)しさには魅力を感じます。この中ではフィオ・ピッコロとシータは希少な存在だと思います。姫様を描くにも、魔女を描くにも整備士を描くにも、これほどまでにストレートな表現ができるのはジブリくらいです。
ただし、独占的ともいえる状況にも、明るい兆しも見えています。『メアリと魔女の花』では感動するくらい、魔術を持った女の子を鮮やかに描いていました。この作品を手掛けたのは米林 宏昌監督であり彼が所属していたのもスタジオジブリです。また、下記のクラリス王女を描いたのは宮崎駿監督です。ジブリの影響力は一つの分野において合法的支配といえてしまいそうなほど興味の渦中にあったのです。
ジブリ・ヒロインに似たキャラクター TOP3
1位 メアリ(メアリと魔女の花)→キキ
2位 ナキアミ(ザムド)→サン
3位 クラリス・ド・カリオストロ(カリオストロの城)→シータ
ザムドのナキアミに関しては確信犯的な見方ができると思います。最後に故郷の神殿に赴くところなどもナウシカの原作を見ている人ならピンときたはずだと思います。
メアリもクラリスも、それぞれにしっかりと助演を演じています。こういった影響を受けたクリエーターによるリノベーションのような作品はどんどん増えていくべきだと思います。
まとめ
頭を柔らかくするとヒロイン像というのは十人十色だと思います。でも歴史的文献と向き合ったときに、絶対的な存在というものがあって、それをまず埋めていかないと前に進めない、というのもわかります。そんな中でもフィオの存在は輝いています。平和を夢見ながらポルコのロマンティズムにちゃんと付き合ってくれるヒロインの姿には感動を覚えました。
これからも新たなヒロインと出会えることを考えると、アニメの未来は深く明るいものになりそうだと思う今日この頃です。
文章:Shinichiro.S