出典:© 三宅大志・一迅社/ろんぐらいだぁす!製作委員会
「あの子、かわいい!」
大学1年生の倉田亜美(くらた あみ)が一目惚れした相手は、自転車だった。
早速、自転車ショップに向かい、折り畳み自転車ポンタくんを購入する。
こうして運動音痴で、内向的だった亜美の身辺が変わっていく。
思えば、その夜からでした。
姉、亜美の奇行が始まり、わたくし妹の倉田恵美(くらた えみ)がそんな姉に畏怖するようになったのは・・・。
夜、お姉ちゃんの部屋を覗いてみると
いつの間にやら部屋に置かれていた新品の自転車ポンタくん。
お姉ちゃんが恍惚な表情を浮かべて、「これからよろしくねー」とサドルに話しかけながら頬ずりしていたのです。
これから寝ようという時間でした。
朝、お姉ちゃんの部屋を覗いてみると
朝っぱらからベッドの上で一人モゾモゾ身悶えしながら、(゚∀゚)アヒャヒャヒャと様子のおかしいお姉ちゃん。
どうやら新しいサドル・・・自転車が届くのが嬉しいようで、話しかけても全く通じないのです。
学校から帰ってみると
自宅前で、お姉ちゃんが自転車のポンタくんのそばに立ち、シャツがグショグショスケスケの水浸し状態になって、陽気に笑っていたのです。
亜美お姉ちゃん・・・、あなた憑かれているのよ。
宅配で届いた謎の大きなダンボール
お姉ちゃんがダンボールを抱えてキャッキャッウフフと2階へ上がっていったと思ったら、変なヘルメットと妙にピチピチの服装を身にまとって、笑いながらクルクルと回っていたのです。
人の趣味の中には、他人に見られた瞬間から消し去りたい過去になるものもあることを、この時、お母さんに教わりました。
人に言えないような秘密のバイトにも手を出している節のある亜美お姉ちゃん。
心配ではありますが、「新しい世界」へ飛び込んでいったお姉ちゃんをそっと見守っていたいです。
自転車って公道を走ることだけではなく、危険がいっぱいなのですね。
色んな妄想を膨らませるわたくし妹恵美も、そっち系の素質があるってことなのでしょうか?
文章:百百太郎