出典:©松本ひで吉・講談社/「さばげぶっ!」製作委員会
転校初日、園川 モモカ(そのかわ モモカ)は痴漢に遭う。
そこを二丁拳銃の謎の女によって助けられるが、礼を言う前に、その女は駅員によって連行されていった。
その後、その女とは学校で再会する。
その二丁拳銃の女は鳳 美煌(おおとり みおう)、サバイバルゲーム部の部長であった。
入部して分かった。サバゲ部は騙し討ち、裏切りでいっぱいなのだ。
しょっぱなから最悪の背信行為
サバゲ部へ誘われたが、「興味ないんで」と断るも、ちょっと銃の試し撃ち。
見事に標的のど真ん中を打ち抜いて見せたモモカに
「そう言えば名前を聞いてなかったな。どんな字を書くんだ?」と美煌が取り出した紙にモモカは名前を書き入れる。
「騙された!」それは入部届の用紙だった。
後日、美煌に入部取り消しを求めると「本人が担任に直接入部届を渡さない限り、入部は認められないんだ」という。
ホッとしたのも束の間、睡眠薬入りメロンパンを食べさせられ、二人羽織で入部届を提出させられてしまう。
こうしてモモカはだまし討ちを受けて、サバゲ部に入部させられる。
目の前で行われている二人羽織という不正行為を見過ごす担任もどうかと思われる。
これもまた担任の裏切り、背信行為か。
ヤクザ映画に感化されて銃撃戦
部員全員でヤクザ映画を見終わると、みんな広島弁になっていた。
そこに顧問が持ち込んできたのは、通販サイトで買ってきた椅子。
誰がその椅子に座るのかを掛けて、たちまちドンパチがはじまる。
「手を組もうや」と言いながら射殺するなど、だまし撃ちしまくって仲間を全員始末した後、生き残ったモモカが椅子に腰を下ろした途端、椅子が壊れ、後頭部を討ち死亡。
本当の勝者は、壊れた椅子を売りつけたインチキ通販業者だ。
カニ鍋で銃撃戦
サバゲ部部室でカニ鍋パーティー。
しかし、鍋用のカニと目が合い、情が芽生えたモモカはカニを抱えて逃亡を図る。
カニ鍋のカニを独占したいのではなく、あくまでカニを助けたいから。
激しい銃撃戦の末、部員たちはモモカの気持ちを汲んでカニを食べることを断念。
かくして、カニ鍋パーティーは取りやめになり、日帰り温泉に変更。
露天温泉を楽しむ中、ふと見ると、カニはすっかり茹で上がって赤くなっていた。
後日、部室でモモカのそばにいたカニは2代目だと思われる。
彼もまたいつか、さばげ部員たちの腹の中に納まる運命なのかもしれない。
リアルでサバイバルをしている唯一の存在と言えよう。
楽しく裏切り、騙し合う。
それが、さばげ部の活動である。
ならば、一見女子部員ばかりのようではあるが、もしかしたら男が混じっていても不思議ではない。
騙し合う部だからね。
文章:ヒトツメロバ