出典:©殆ど死んでいる・KADOKAWA刊/異世界おじさん製作委員会
あらすじ
西暦2017年の秋。17歳の時にトラックにはねられ、それ以来ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めたという連絡を受け、病室を訪れた甥のたかふみ。
意味不明な言葉を呟き、異世界に行っていたと話す叔父の姿を見て、頭がおかしくなってしまったと困惑するが、叔父は証拠を見せるかのように目の前で魔法を使って見せる。
何かを思いついたたかふみは、態度を一変させ、叔父に一緒に暮らそうと話すのだが…。
異世界からの帰還者
17歳の時にトラックにはねられ、17年間昏睡状態だった叔父さんが目覚めたとの連絡を受けて、甥であるたかふみが病室を訪れた。
「レルラーズ・「グランバハマル」・トナ・ガルトエバ・リレクス」
目覚めた叔父が、たかふみに呪文のような言葉を唱える。
当然、たかふみは“頭がおかしくなっている”と考えたのだが、会話を試みる事に。
「あ~すまんすまん。異世界「グランバハマル」に17年いたが、ようやく帰って来たぞ、だ!」
叔父の言葉に、言葉がでないたかふみだったが…その時に扉が開く。
どうやら看護師が検温に来たようだ。
看護師に対しても、訳の分からない言葉を話す叔父だったが、看護師は完全にそれをスルー。
その状況を見たたかふみは、またも言葉を失うのだった…。
人間の闇の深さ
看護師が病室から退室して、叔父がたかふみに口を開く。
「姉ちゃんの子どものたかふみか。大きくなったな。他の皆は?」
叔父の言葉に、たかふみは下を見ながら返事する…。
「昏睡状態のおじさんの処遇を巡って言っちゃいけない事をボロクソ言い合った挙句、一家離散したよ」
たかふみから、とんでもない状況を聞いた叔父だったが、話には触れず…先ほどのように訳の分からない言葉を口にしていた。
呪文のような言葉を連発する叔父に対して、たかふみは額に汗をかきながらも気まずそうに言葉を紡ぐ。
「不景気でうちも厳しくてさ。俺も色々あってバイトしてるし。自立支援とかあれする書類を持って来たんだけど…」
その時だった。先ほどまでの呪文を“日本語”にして唱えると“魔法”が発動したのだった。
叔父が本当に異世界からの帰還者で魔法が使えると確信したたかふみは、この力を使って金を稼いで喰っていくと心に決めたのだった…。
全体的な感想
異世界転生ものかと思いきや、異世界からの帰還者モノです!
しかも主人公は中々におじさんな叔父さん!!
こんなアニメ…今までに見た事が無いですね。
正直、美男美少女物の異世界転生シリーズよりも圧倒的に面白かったです。
人間の闇、クズの部分を垣間見る事が出来るのも…リアリティがあって良いですね。
実際、17年間も寝ていた人を引き取るのは厳しいと思います。
魔法が使えると確信した、たかふみの行動力と発想力の高さは素晴らしいと思いました。
使えるモノは使う!という感じが良いですね。これぞまさに“生”です!
叔父さんが魔法を使えなかったらどうなっていたのかも見てみたい気がしますね…。スピンオフとかあるのかな…?
文章:クラッシャー佐藤