出典:©満田拓也・小学館/NHK・NEP・ShoPro
『メジャー』とは満田拓也氏の漫画『MAJOR』を原作としたNHKのテレビアニメです。物語の基本的骨格としては昭和のスポコン的アニメという印象も受けますが、主人公たちの成長も交えており、作品の最重要なメッセージは、「夢を忘れず諦めないこと」だと思います。
父の背を追う吾朗
主人公の「本田吾郎(ほんだごろう)」は母親を亡くし父親と共に暮らしています。吾郎がまだ保育園児だった頃に父親はプロ野球選手として活躍していました。
やがて吾朗の父はメジャー(ホーネッツ)での経験も積み日本球界に戻ってくる頃には体がボロボロでした。そんな父親を心から尊敬し、「父親のようになりたい」という夢を小さな頃から夢見ていた吾郎は、リトルリーグでの優勝を牽引します。
中学に入って肩を壊し一度は野球から身を引いた吾郎でしたが、無事だった左手を使い左投手として復帰することになります。そしてその時には高校生にも通用するであろう「ジャイロボール」という変化球も習得していました。吾郎のメジャーへの道のりはまだまだ続きます。
主人公が成長するリアリズム
新たなファン層
「ジャイロボール」習得後のストーリーも高校での活躍やメジャーリーグ、マイナーリーグ、ワールドカップと活躍の場を広げて活躍しています。
2004年から2010年まで6年間続いたこの作品には特有のファン層がおり、子供が毎日のように野球に励む姿にこの作品を重ね合わせて観ていた主婦層も多いかと思います。
関東地区の最高視聴率が2007年2月24日(第3シリーズ第8話)の7.6%とテレビアニメとしては十分な話題性を確保しました。「タッチ」などの野球アニメに比べて主人公の挫折が多いのが特徴です。
新たな世代へのバトンが渡される
父親が元メジャーリーガーであり、その目標を見失わずに成り上がる姿というのも大筋の流れとして見所になっています。2018年には吾郎の息子・大吾の活躍を描く『MAJOR 2nd』も放送され、恐らく製作陣も思わぬ大作になりました。
文章:Shinichiro.S