出典:©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
怒涛の展開
虎杖と仲良くなった順平の心はひと時の安らぎと、もう一方で、人ではない人外の論理を語る真人への敬愛で揺れていました。
虐待を受けながら生命の本質を語る時点で、2人には何かしらのシンパシーが育っています。
そこにきて母親の突然すぎる死が待っていました。
母の遺体は腰から下が欠損しており、血宿儺の指が落ちていたそうです。
真人は七海に敗北しましたが、こと順平に関しては、夏油・真人組が優位に立っています。
舞台は順平の高校、真人により帳がかけられ次々に生徒たちが倒れる中、順平といじめっ子が対立します。
そして順平が、いじめっ子を呪い殺そうとするところに虎杖が乱入します。
続きは次回。お楽しみに!!
非情な現実
順平の諸事情と感性を利用する真人と夏油に憎しみを覚える展開となりました。
ただ、まだ希望が絶たれたわけではありません。
虎杖が順平の支えになれるかどうかが、物語に大きく作用します。
既に、二人は『ミミズ人間2』というスプラッター映画の話で意気投合しているし、順平の母と虎杖の関係も良好です。
ここまで条件が揃っていて、順平が浮かばれない理由がないと思った瞬間に絶望が待っています。
これは呪いの範疇か?
何の嫌味があって、この原作者は不幸な物語を紡ぎ出すのか?と戸惑うところもありますが、そこまで裏切り切るのが逆にブラフなのだろうとも思っています。
まとめ
順平の表と裏の顔が見られる回となりました。
そして、筆者としてはこの作品のファンながらに、原作者のモラルを疑うような展開にも出会いました。
呪いが呪いとして純度を増した瞬間でした。
そこまでして伝えたい正の要素・負の要素とは何なのか?深く考えさせられました。
以前、宿儺は鬼神だから鬼ではあるが、同時に神様でもあるというような話を書いたことがあるかと思います。
人の負の感情から生まれる呪いと人智を超えた呪い。
この先続々する展開が待ち受けていることは知っています。
どうか、この作品で誰かが傷つくませんように、虎杖の心にいる母の姿は永遠に笑顔なのだと思います。
文章:S.Shinichiro