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『ゴールデンカムイ』第五話「駆ける」【感想】

出典:©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

テレビアニメ『ゴールデンカムイ』も第五話になり、いよいよ土方歳三が本性をあらわす展開になってきました。

主人公は日露戦争で戦果をあげた通称「不死身の杉元」ヒロインにはアイヌの狩猟を得意とする少女アシリパさん。今回は狩の場面はほとんどありませんが杉元と脱獄王・白石が本土の料理をアシリパさんに振る舞う場面が描かれています。

アシリパさんが遂に味噌を食べ物として認めてくれる!!

前回の放送ではアシリパさんの紹介でアイヌの村・カムイコタンの伝統を堪能した杉元でしたが、一人小樽に抜け出し、鶴見中尉に捕まってしまいます。カムイコタンに迷惑をかけられないという思いもあったのでしょう。しかし結果的にアシリパさんは最後の狼とも呼ばれるレタラと共に杉元を助けに小樽へ向かいます。白石とおちあい杉本を救出した一行は町を抜け出し、盗んだ馬を足がつかないように処分し、桜鍋にすることになりました。

今度は日本の食文化をアシリパさんに紹介する番です。桜鍋とは馬肉を使ったすき焼きで、アシリパさんがずっとオソマ(アイヌ語で排泄物)と呼び続けた味噌を使った料理です。ものすごく微妙な顔で肉を口にするアシリパさんですが、遂には味噌の味を認めるのでした。ヒンナヒンナ!!。

修羅場の連続

脱獄王・白石の関節外しが見られるのがこの第五話の魅力でもあります。そして同時に両手両足を縛られ頬に串が二本も刺さった状態で鶴見中尉の手下の二階堂兄弟を襲った杉元は、白石の協力も得て二階堂を殺害し、はらわたを盗み病院へ搬送される途中で逃亡するという荒技を見せます。

同じ頃、土方歳三はヤクザものの永倉新八を仲間に引き入れようとするが、失敗し、結果永倉一派を皆殺しにするという暴挙に出ます。血に染まる北海道、ダーティーロードはまだまだ続きます。

生き残る理由

「四話のコラムで緩急つけたストーリー展開に期待します。」とは書いたもののほのぼのとした桜鍋のシーンと土方歳三の討ち入りのシーンの落差は激しすぎだろ、と思いました。『ゴールデンカムイ』の魅力の一つとして「生き残る理由」がテーマとしてはっきりしている点があると多います。

杉元は戦争で培った強靭な精神力で北海道の大地でも逞しく生き延びるのですが、それをアシリパさんは自分の親を引き合いに出して褒めています。尊敬すらしているのでしょう。そして動物たちにも「生と死」の意味を見出すのがアシリパさんです。熊や狼はカムイの者、でも鹿はカムイが与えてくれた人間の獲物。アイヌ独特のモノの捉え方が語られます。学ぶところの多いこの作品をこれからも紹介していきたいと思います。

 

文章:S.Shinichiro

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