出典:©2022 クオンタム・天野英/KADOKAWA/「勇者、辞めます」製作委員会
科学文明の時代。
突如、地中から湧き出てきた魔物の群れに対抗するため、人類は「勇者」として12体の生体兵器デモンハートシリーズを作り出した。
長きにわたる戦いの中で生き残った勇者は、レオ・デモンハートだけだった。
3000年の時を経て科学文明が滅び、魔法文明の時代になっても勇者レオは、まだ戦っていた。
超成長機能により、いつしか人格も備わるまでになった勇者レオだったが、言うことがコロコロ変わるのだ。
人類を滅ぼしたい!
魔王軍を討ち果たし凱旋した勇者レオを待っていたのは、民衆の冷たい視線だった。
それは、勇者レオの高い戦闘能力が危険視されたため。
魔王エキドナが復活し、再起を図っているという噂を耳にした勇者レオは、再建中の魔王城を訪れ、魔王軍への再就職を申し出る。
志望動機は「人類を滅ぼしたい!」
・・・なんていうのはウソさ
本当は、長きに渡る戦いに疲れ果て、命を終わらせたい。
勇者レオ自身の「死」こそが本当の目的であり、今後この世界を魔王に託せるか品定めしていた・・・なんていうのもウソさ。
コロコロ変わって、たどり着いた本心は?
魔王エキドナが探し求める「賢者の石」を譲ることにした。
「賢者の石」とはレオの心臓のこと。
魔王エキドナの「魔界を争いのない緑豊かな世界にしたい」という願いを叶えるために「賢者の石」が必要だという。
勇者としての存在意義を見失っていたレオは、体内に埋め込まれた賢者の石を魔王エキドナに捧げると決め、わざと戦闘を仕掛け、倒される。
勇者としての存在意義を見失ったとは?
成長しつづける「超成長」機能により自我が目覚め、命令のひとつ「反逆防止」を無効化してしまった結果、反逆を起こす。
一方で、もう一つの命令に従って、己の起こした反逆から「人類を守る」のだ。
3000年もの間、「人類を守れ」という命令を遂行するため、世界を壊滅に追いやっては守る、という自作自演を繰り返してきたのだった。
魔王軍四天王のシュティーナの進言に従って、虫の息の中、ちょっと念じてみた勇者レオ・・・無効化できちゃった!
実は、勇者辞めるのは簡単でした!
レオは「人類を守れ」という命令キャンセルは絶対無理という「思い込みのバケモノ」だったのだ。
結論
「人類を守るために反逆を起こしては守る」の悪循環から、生きている限り逃れられないと思い込んでいたレオ。
その天然ボケを繰り返した3000年間、たったの一念(1年)で「勇者」から卒業というダジャレオチってことでOK?
「ダジャ レオ チ」と中に名前もあり、語呂もいいってことでOK?
生体兵器「勇者レオ」に覚醒した人格とは「優柔不断」「うそつき」「うっかり」ということでOK?
勇者デモンハートシリーズで最後まで生き残ったのは、ポンコツでしたってことでOK?
文章:ヒトツメロバ