出典:©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
このアニメは2015年春、1クール(全13話)TV放映されました。
原作は宝島社文庫の武田綾乃(たけだあやの)の小説『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』が元です。
アニメーション制作は京都アニメーションが手掛けています。
ユーフォによろしく。
このアニメの主人公は北宇治高校1年生になる女子高生の黄前久美子(おうまえくみこ)です。
久美子は小学生のころから吹奏楽ではユーフォニアム担当で同じクラスになった加藤葉月(かとうはづき)、川島緑輝(かわしまさふぁいあ)に誘われて自分も吹奏楽部に入部することになります。
そこには同じ中学で吹奏楽部員の高坂麗奈(こうさかれいな)の顔もありました。
中学生最後の大会で金賞を取りながらも全国へは行けず悔し涙を流していた麗奈に対して、久美子は本気で全国へ行けると思っていたのかと、毒を吐いてしまった過去がありどのように彼女に接すればよいのか悩みます。
そして久美子は高校ではユーフォニアムとは違う別の楽器を選ぼうとしますが、3年生の田中あすか(たなかあすか)の低音パート担当への勧誘をふりきれずユーフォニアムを選ぶことになります。
それから北宇治高校吹奏楽部は新しく赴任してきた滝昇(たきのぼる)を迎え、目標は全国大会出場です。
下手な演奏の表現。
このアニメは音楽を扱っていることから演奏される曲に対してわざと下手に演奏をしたりとアレンジがくわえられています。
入学式当日、吹奏楽部が新入生歓迎の為の演奏として校門前で披露した暴れん坊将軍の曲は見事にアレンジされていて素人でも良く聞くと音がずれていることに気づきます。
これは北宇治高校吹奏楽部がどの程度のグダグダなレベルなのか視聴者に対して聞いただけでわからせる事が出来ます。
このアニメで登場する音楽は演奏者がレベルの高い演奏をする事は出来ても、手を抜いたりするのは逆に難しい事なのではないのでしょうか。
ここは音楽というものが漫画や小説では表現しきれない部分としてアニメならでは可能となる表現だと思いました。
自分は音楽を聞いても物の善し悪しがわかる方ではありませんが、それでも気の抜けた演奏をしているシーンの音楽がそれにふさわしい演奏にアレンジされている事は地味に凄いと思います。
さすがは京アニだと感心しました。
文章:針尾