出典:©2022 いつきみずほ・ふーみ/KADOKAWA/「新米錬金術師の店舗経営」製作委員会
両親を早くに亡くしたサラサ・フィードの夢は、お店を持って独立すること。
そんなサラサに錬金術師養成学校の卒業祝いとしてオフィーリア・ミリス師匠からプレゼント!
それは・・・王都から遠く離れたヨック村の廃墟だった。
錬金術師が来た!歓迎ムードの村人たちの協力もあって、たちまち出店にこぎつけられたものの、なかなか利益が出ない。
こういうのが欲しい、こういうのがあったら便利!
だが、お店の将来のために、経営戦略的に、売るわけにいかないものもある?
効率・便利は敵
ヨック村から王都へは、村人にとっては本来、1か月はかかる。
そこで、高速移動の履物と何でも入るカバンがあれば・・・
だが、魔力によって半日程度で移動できるサラサにとって、ここにビジネスチャンスがある。村人たちから買い取った素材を、サラサが王都へ売りに行くことで、その差額を利益にすることができるのだ。
そんな履物とカバンを売ってしまうと、直接、王都へ持ち込まれて、誰もお店に来なくなってしまう。
需要が見込めない
誰もが思いつくであろう「毛生え薬」
開発すればバカ売れ間違いなしと思えるこの薬。
ところが・・・
酒場の客、お店に出入りする人をざっと見渡したところ・・・
なんと、みんなフサフサなのだ。
おっと、ひとり、ふたり発見!
もともと過疎地な上に、毛生え薬を必要とする人が、ほとんどいない。
開発にかかる時間と労力の無駄!
みんなハゲればいいのに。
人手の確保
瀕死の重傷を負ってお店に運び込まれたアイリス・ロッツェ。
術によって完全治癒はしたものの、莫大な治療費をケイト・スターヴェンと共に住み込みで働いて返済することになった。
そして、素材集めを担当するが・・・
アイリスもケイトも怪我するわ、下痢するわで、なかなか獲物を捕らえられない。
そこで魔法の弓矢や剣を開発すれば、治療費もサクサク返済と思いきや・・・
ところが、サラサは現状、お金より人手が欲しい。
王都へ出かけた時の店番が欲しいのだ。
なので、完済などされて、店を離れられると困るのだ。
「こんなのがあればいいのに・・・」
「そうだね。でも、却下!そんなの作ると、今後の商売に悪影響でるから!」
なんてことは、決してサラサは口にはしない。
先を見る目、腹黒い駆け引きが見え隠れする・・・店舗経営には、そんな部分もあるようですよ。
文章:ヒトツメロバ