=アニメ創世記=
実は世界で初めてアニメーションを作品として発表したのは1892年フランスのプロジェクトチームによるものでした。『哀れなピエロ』(Pauvre Pierrot)という作品です。
日本におけるアニメーション映画のパイオニアは下川凹天(しもかわへこてん)という大正時代の人物です。有名なところでは『猿蟹合戦』の無声映画を制作したのがこの人でした。1917年(大正6年)
いわゆるトーキー(映画にサウンドが同期した作品)が日本で実現したのが1932年(昭和7年)『力と女の世の中』という作品でした。
世界初の長編カラーアニメーション作品が発表されたのが1937年(昭和12年)のアメリカ『白雪姫』という作品です。
=日米アニメの変遷=
1928年(昭和3年)にはアメリカでのちにウォルト・ディズニー社の看板キャラクターとなるミッキーマウスが登場します。『蒸気船ウィリー』という映画です。今時の若い人たちはYoutubeなどで目にする機会が多いので、年配の方よりも認知度が高いかもしれません。
対して日本の長編アニメーションの先駆けとなったのはやはり手塚治虫さんでしょう。『モノクロ版鉄腕アトム』が放送開始されたのが1963年です。アメリカでミッキーマウスに子供達が熱狂したように、日本オリジナルのキャラクター・鉄腕アトムに日本中の子供達が熱狂しました。日本人にとって最も多くの世代を観客に迎えたアニメはTVアニメの『サザエさん』でしょう。1969年(昭和22年)から2020年(令和2年)現在も同じく日曜日夕方枠で続いています。
配給収入
1979年に劇場公開された『銀河鉄道999』がアニメ作品としては初の邦画年間配給収入1位に輝きました。(推定16億円)
現在確認できる限りでは日本アニメ歴代興行収入ランキングの
第1位は『千と千尋の神隠し』(308億円)
第2位が『アナと雪の女王』(255億円)
第3位が『君の名は。』(250億円)
とかなり飛躍しているのがわかります。
まとめ
現代(2020年)はアニメ映画が誕生しておよそ100年ほどの時点にいることになります。現代人だから思うことがあると思います。
目で観て耳で聴く情報量より個人の想像力が尊重されていた時代の「映画を見る感覚」というのはどういったものだったのでしょう。もしかすると今よりよっぽどアミューズメントだったのではないかなど‥。しかし、当時の人たちから見た現代のアニメーション映画というのも、おそらくは想像を大きく上回る感動を与えてくるものなのでしょう。
映画界は今、新境地を開拓する時代からさらに次のステップへと足を伸ばそうとしています。これからの成長こそが本質的な日本文化の隆盛につながるはずと思い、見守っている次第です。
文章:Shinichiro.S