出典:(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project
天才ライトノベル作家・川原礫(かわはられき)さんによる人気シリーズ『ソードアートオンライン』の2期にあたるこの作品は、前作では病室で主人公のキリトを見守るだけだった妹が参戦します。
〜新たな技術の暴走〜
そもそも前作で主人公であるキリトが何故病院で意識不明の植物状態に陥ったのか、それは「ナーブギア・システム」という仮想世界におけるRPGゲームの暴走に原因がありました。第1シーズンでその仕掛け人・茅場晶彦(かやばあきひこ)を倒すことに成功したキリトは、その代償として失ったアスナという恋人の病室に通います。
意識不明、痩せこけた姿に「第1シーズン・アインクラッド」はもう崩壊したはず、という疑念を抱くキリトは何者かの策略で「アルヴヘイム・オンライン」という新しいゲームの仮想空間にアスナが閉じ込められていることに気づきます。
密かに「アルヴヘイム・オンライン」に参加していた妹と共にキリトはかなりの駆け足でミッションをコンプリートしていきます。「アインクラッド編」のキリトの英雄ぶりが再び冴え渡る壮大なストーリーです。
アバターのユイに注目
今作『フェアリーダンス』でキーマンとして登場するのが前作『アインクラッド編』でキリトとアスナを「パパ」「ママ」と呼んでいたユイというソードアートオンラインのメインシステムのA Iの少女です。
今作の特徴はステータスの変化が乏しいこととキャラクターが空を飛べること。そしてユイの能力が妖精として適合すること。独立したストーリーというよりは『アインクラッド編』の後日談という色合いが大きいこの作品、ファンの期待を裏切らない美しい世界観に圧倒されます。
まとめ
『アインクラッド』がドラゴンボールだとすれば『フェアリーダンス』はナウシカの原作です。今作において、キリトはほとんどステータスの向上やスキルの習得を踏まえずにボス戦までたどり着きます。かなり急ぎ足で前進する理由は、世界樹と呼ばれるゲームの最終目的地に恋人のアスナが捕らえられているという情報を得たからなのです。
強敵である邪神をお共にして聖剣エクスカリバーを横目に世界樹を闊歩する姿にはキリトの男らしさが垣間見えます。
文章:S.Shinichiro