出典:(C) 2020 Disney
ウォルトディズニー・グループによる完全に純粋なディズニーアニメーションです。前作『アナと雪の女王』は子供達にも人気で、男の子、女の子を問わず、5歳くらいからその認知度を広めている優れたアニメーションです。
思い返せば筆者の時はどうだったかなと、確か、宮崎(ジブリ)アニメ全盛期だったなと思います。今時の子達はアナ雪やミニオンズが小さい頃の思い出になり人格形成が行われる、そのベースになっていくんだなぁと思うといろいろ考えさせられます。
氷の城のように美しく輝く友情と愛
氷の女王エルサを中心に今回も大冒険が繰り広げられます。前作でも紹介されたように女王エルサには特別な力があります。すべてを氷の世界にしてしまう魔法を持っているのです。その力が暴発しないようにいつもエルサは手袋をしていました。
コントロールの効かないエルサの手はいつしか妹や大切な人をも傷つけてしまいますが、ついには王国を救う平和の象徴としてエルサの魔法は国民に認知されることとなります。
『アナと雪の女王2』では妹のアナとクリストフ、オラフ、スヴェンと共にエルサの聞いた歌声を頼りに再び冒険に出ます。そして今度こそは皆んな心は一つです。一人一人が大事な仲間なのです。歌声の先に待っていたものの正体とは?
二人のヒロインの個性に注目
エルサの存在感はもちろん欠かせませんがそのキャラクターを引き出し続けるアナこそがこの映画のヒロインとして相応しい振る舞いを見せています。
正直筆者の感覚として5歳や10歳の子供にこの世界観と魔法という不安定なテーマが汲めているのか?理解できているのか?と疑問符を抱くこともありますが、自分の幼少期を振り返った時に、やはり『ドラえもんなんちゃら』で結構、洞察力の必要な物語を観て感動していたなと思ったりもします。
心豊な作品
前作はエルサが孤高の魔術師でしたが、今回『アナと雪の女王2』では、トロールと呼ばれる精霊や、魔法の森の様々な精霊が登場します。エルサのことを神様に選ばれた人間と捉えるか、精霊が平和のために人間と化したものなのか、捉え方は鑑賞した人間の自由な発想に委ねられます。しかし大切なのは「表現力」なのかな、と筆者は思います。
ディズニーアニメ全般に言えることですが、謎解きがメインテーマではなく、人間にとって、安心できる不思議な力とどう向き合うのかという問題なのではないかと。戦時下で平和を想像するような心の豊かさがにじみ出ている作品だと思います。
文章:Shinichiro.S