出典:(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project
今やアニメ映画や、続編『SAO アリシゼーション』も放送されているこのシリーズですが、主人公(最強の剣士)キリトの原点というべき人間味あふれる姿が見て受けられるのがこの作品です。
執筆時点(2020年6月)で、最新作が深夜アニメとしては破格の人気を得ている SAO(ソードアートオンライン)シリーズですが、MMORPGの真骨頂としてまだ駆け出しのキリト(本シリーズ不動の主人公)の初々しさを見られるのが魅力的な作品です。
キリトがパパになり…
物語は、主人公のキリトが既に剣士としてある程度成り上がっているポイントから始まります。MMORPG『ソードアートオンライン』は、突如として人の脳をハックし、壮絶なデスゲームが始まることになります。そんな中、「血盟騎士団」のアスナという少女と愛を育み、デスゲームのプログラミングの一部であったA Iアバターユイを我が子として生活する中で、この世界の真実に迫りゆくのがストーリーの概要です。
果たしてキリトとアスナは生きて帰れるのだろうか?
この作品が高く評価される一因は、ネット社会のリアリズムと社会のルールを見事なまでにファンタジーに昇華させているからだと思います。登場人物の本体(身体)は、現実世界では眠ったままなのですが、上書きされたルールとして、仮想空間の中での死は現実の死であるというシュールな設定はある種、私達が生きていくために必要なツールの客観的且つ本質的な表現なのかも知れません。
まとめ
作中の登場人物でもっとも世界観を生写ししているのが茅場晶彦という『ソードアートオンライン』の創始者です。キリトとアスナの前に立ちはだかるその姿は、仮想世界の粋といっても良い魅力的なキャラクターです。そしてこの人物こそアスナの師匠「血盟騎士団」のリーダーなのです。
一人の天才的な創造者の美学に図らずも足を踏み入れてしまった、二人と、その副産物として意思を持って生み出されたアバターのユイ、物語は予想を上回る顛末(てんまつ)を迎えます。
文章:S.Shinichiro