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新海誠監督作品『秒速5センチメートル』短編小説の3話構成(2007年)

あまり知られていませんがこの『秒速5センチメートル』という映画は渋谷を皮切りにアメリカなどの国でも公開され、イタリアの映画祭などで受賞歴のありアニメ業界において、多くの評価を受けてきた作品です。『君の名は。』は6作目の劇場版アニメーション映画ですが、今作は第3作になります。

初恋から社会人になるまでを描いた感動作

3部作の1話目は『桜花抄(おうかしょう)』という作品です。両思いの2人が小学生の頃からの幼馴染で、小学校の卒業とともに離れ離れになる、というストーリーです。2人は遠く離れていても手紙のやり取りなどで純愛を貫きます。第2話は『コスモナウト』という物語です。高校3年生の澄田花苗(すみだ かなえ)が主人公です。好きな人(1話の少年)に告白しようとするものの、オーラで壁を作られてしまって告白もできずに涙を流しながら帰宅する少女の物語です。サーフィンが趣味で一途な性格の持ち主ですが、(1話の少年)貴樹への憧れは消えずなんとも言えない感情の渦に苛まれる役が美しく描かれています。最終3話は『秒速5センチメートル』、貴樹が3年間付き合っていた女性にふられてしまいます。恋人がいながらもどこかで初恋を引きずっていた社会人の主人公の姿が切なく描写されています。

大人になって初めて気付く恋の切なさに涙

タイトルの『秒速5センチメートル』ですが、3話にそのタイトルの所以を探る手がかりがあります。主人公の貴樹が「1000回メールしても、心は1センチくらいしか近づけなかった」と言われるシーンがあります。初恋を引きずる貴樹にとっては秒速5センチでも近づけるのはなんらかの慰めになっていたことでしょう。

子供の感性に焼きついた記憶が蘇る

ラストシーンが『君の名は。』に似ていますが、結局、最後に出会った明里(あかり[小学校の同級生で貴樹の初恋の相手])は幻だったように見受けられます。ストーリー全体として誰もが経験したであろう淡い青春、そして早熟すぎる感性が鮮明に描かれており、大人が観ても幼い日の記憶がフラッシュバックするような不思議な作品です。

 

文章:Shinichiro.S

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