あだち充(あだち みつる)の原作漫画が大ヒットしたことで1995年にテレビアニメ化されたものです。漫画は、2018年時点でシリーズ累計発行部数は5,500万部を超え、同時にネット書籍倉庫「サンデーうぇぶり」にて原作漫画と電子書籍が販売されるなど近年においても注目されている名作です。
繊細のストーリー
舞台は千川高校という野球部のない学校です。
利き手の怪我を理由に高校野球を諦めた主人公の国見比呂(くにみ ひろ)ともう一人の主人公、スラッガーの橘英雄(たちばな ひでお)は、野球の名門校に入学します。
物語は英雄のガールフレンドの雨宮ひかり(あまみや ひかり)と、のちに千川高校野球部のマネージャーになる古賀春華(こが はるか)の4人の登場人物により進行します。
ひろは、野球部創立のために熱心に働き、なんとか千川高校野球部を立ち上げます。英雄とひろは中学時代に地区大会を2連覇するほどの実力を持っています。さらに、ひろはピッチャーです。その腕一本で高校野球の薔薇道を突き進んでいきます。とても繊細で味のある物語です。
中学生時代に完成されていたヒロのポテンシャル
今回の主人公は野球に関して物凄く器用な面があり、しかし、体格が大きいわけではありません。また、他の作品と共通することとしては女房役のキャッチャーの存在感です。
ヒロの球がもう受けられないならと、同じ野球部の無い高校に進学しようと決めていた野田敦(のだ あつし)との掛け合いにも注目です。
そして『タッチ』とはまた違った形での進化した恋愛模様にも見所が満載です。
二人の天才・ライバル対決の終焉とは
中学で親友になった英雄とヒロの対決が高校野球で実現することになりました。変化球でストライクを取りに行くひろに対して英雄は真っ向勝負を待ち続けます。クライマックスまで野球愛があふれるような展開が続きます。高校野球をテーマとしたアニメ作品の中でも群を抜いてメリハリのある優れた作品です。
多彩な才能を見せつけるあだち充作品
『タッチ』『MIX』『ラフ』、これは全てあだち充氏の漫画ですが、今回紹介する『H2』も含め必ず作品の雰囲気やテイストを変えてきています。
文章:Shinichiro.S