出典:©樋口彰彦・講談社/「江戸前エルフ」製作委員会
東京都中央区月島にある高耳神社の御神体は、かつて徳川家康公が召喚したエルフである。
東京の移り変わりを400年見守ってきたエルダリエ・イルマ・ファノメネル(通称・エルダ)という名のエルフは、621歳にして未だ存命である。
現在、彼女は本殿に引きこもり、オタク文化を満喫した生活を送っている、不老不死の不労エルフである。
その御神体エルダに仕える女子校生の巫女・小金井 小糸(こがねい こいと)が只者ではないのだ。
聞く耳をもっている
引きこもり生活が長いこともあって、声もかすれがちになってしまったエルダの話にも熱心に耳を傾ける。
「江戸時代はこうだったんだよ、ああだったんだよ」と、過去形ばっかりの老害エルフの話にもツッコミ入れながら聞く。
「帰りにポテチ買ってきて」「セットのおまけの玩具は3番と6番で」も、ご神託として聴く。
高耳神社の「高耳」は、崇高な耳という意味に違いない。
「高耳」様なのは、小糸の方である。
芝居がうまい
ロボのミニチュアモデルがどこにも見当たらない。苦労してやっと手に入れた激レアのやつだ。
小糸たちも一緒になって探すが、どこにもない。
小糸の友人・桜庭 高麗(さくらば こま)が犯人を推理したところによると「出入りする人間が二人しかいないんじゃ、あとは小糸しかいないじゃん」
そう言われた小糸はあっさり罪を認めた。
そして、踏みつぶされて変わり果てたロボの姿が・・・
「空き巣に入られた。警察を呼ぼう」と言ったら「押し入れの中じゃないの?」「探せばあるかもだし」とか言って、止める時点で怪しかったが。
限定ミニチュアモデルを踏みつぶしておいて指摘されるまで、とぼける、白を切る、猿芝居する。
たいした巫女である。
お約束を忘れない
神事の弓の練習にかこつけて、ヘッドショットしてくる。
横に立ってても、なぜか矢が直角に曲がって飛んでくる。
能力者である。
視聴者へのサービスを忘れない
巫女姿ばかりじゃない。
テスト勉強の時は自宅でも制服姿で、視聴者の目を楽しませてくれる。
あざとさもある。
優秀な巫女に対して御神体はどうか?
エルダは猫背の上に、知らず知らずのうちに手もコントローラーを持つ形になってしまう。
それは、どれだけ長く引きこもっていたのかを物語っている。
現代の反面教師といったところか。
徳川家康くんが今のエルダの様子を知ったらどうするだろう?
処す?
文章:ヒトツメロバ