出典:©矢沢漫画制作所/集英社・VAP・マッドハウス・NTV
1999年に原作者・矢沢あいの手で『リボン』の姉妹誌『Cookie』で2話が掲載されたのが始まりです。当初は二人のナナ(大崎ナナと小松ナナ)がそれぞれ1話づつ登場する設定になっており、同誌で二人のナナが出会うことはありませんでした。『Cookie』が月刊誌として始まった時からその後の二人のナナのストーリーが連載されることになったものです。
『NANA』あらすじ
東京にいる恋人と同棲するために上京した小松ナナは、同じように上京することになった大崎ナナと列車で初めて出会うことになります。お互いに名前を明かすとどちらもナナで、そのことに喜ぶのは小松ナナでした。大崎ナナは「紛らわしいから私がナナでお前がハチだ」と勝手に呼び名を決めてしまいます。大崎ナナには忘れられない恋人との過去がありました。
一緒にバンドを組んでいた仲間で、ある日突然上京し、東京のバンドでメジャーデビューしていました。二人を巡る恋の行方はどこへ向かっていくのでしょう。そしてナナの親友となったハチを襲う試練とは‥
『続編を強く望む!』
未だかつてテレビアニメと原作漫画と実写映画の3つがこれほどまでに完成度が高くせめぎ合う状況に出会ったことはありません。どの作品も原作に忠実であり、特にアニメでは原作者の矢沢あいさんの意図するデザイン性豊かな描写が美しく描き出されています。
ナナが所属するインディーズバンド「BLACK STONES」の躍動するようなライブシーンやナナの恋人だった本城蓮との再会などは感動的で、見所の一つです。ハチの前ではロック少女全開で男前な素ぶりを見せるナナですが、蓮の前では完全に女の子になってしまうのは本作全体のドラマティックな展開に、いい影響を与えていると思います。
女性の描く漫画としてとても上品であり、スタイリッシュです。テレビシリーズは原作の11巻までのストーリーを描いていますが続編を望む声も多いと思います。平成を代表する女性の描くロック系アニメの金字塔です。
文章:Shinichiro.S