出典:©「平家物語」製作委員会
『平家物語』第七話の感想を述べたいと思います。
あらすじ
後白河法皇の院宣を受けて源頼朝は挙兵した。
維盛の率いる平家の兵は、富士川の戦いで敗走する。
南都興福寺の僧兵の平家への盾突きに対し清盛は鎮圧を命じる。
福原から京にかえってきた平家は、朝廷からも南都の僧たちからも警戒される。
さらに木曽義仲が台頭するなど、各地で頼朝側につく動きが目立つ。
年が明け、高倉上皇が危篤状態となる。
清盛は徳子に今後の身の振り方を提案するも、徳子はつっぱねる。
無間地獄に堕ちる清盛は、高熱を出して、ついに亡くなる。
徳子は自らの子とともに生きていくことを決意する。
みどころ
高倉上皇が危篤となり、まだ死んでいないにもかかわらず、清盛は娘の徳子にたいして、法皇の後宮にならないかと提案します。
自らの権勢のことしか頭にない清盛にたいして、徳子はきっぱりとその話を断ります。
「どうしてもというなら、出家いたします」と髪を切ろうとする徳子を見て、清盛は慌てて撤回します。
徳子の決然とした態度にすがすがしいものを感じます。
欲におぼれて何を失ったかもわからなくなったものたちをたくさん見てきた、と言う徳子。
冷静に自分とまわりとを見ていたことがわかります。
この回は、徳子(建礼門院)の良さを表現した回だといえるでしょう。
まとめ
欲におぼれ自分の子供であろうと何だろうと犠牲にする、清盛。
望まない運命であっても決然とした態度であろうとする、徳子。
亡くなった清盛が、徳子の素晴らしさを際立てています。
加速度的に状況が悪くなっていく平家一門にあっても、落ち着いていられるすごさ。
第七話は、徳子の回だったな、と思います。
文章:kuragigo