出典:©武田すん・講談社/グレイプニル製作委員会
2020年4月アニメなのでまだ、DVDが発売されていないのが残念ですが、この作品は筆者が「2020年で最も魅力的なアニメーション」と評価している物語です。おそらく東京喰種などのバケモノ系の作品にロスを感じている人たちに観てほしい作品です。
自分が自分ではなくなる感覚を表現する作品ってどこか青春めいていて良いですよね。
謎多き第一話
主人公の高校3年生・加賀谷修一(かがやしゅういち)には秘密があります。そのために成績優秀のため推薦された大学も諦めていました。
その秘密とは体が危険を察知すると“犬の着ぐるみのバケモノになる”ことでした。バケモノの姿でない時にも鋭い嗅覚は依存しており、そのおかげで自殺未遂の女子高生(修一と同じ高校の一年生)青木 紅愛(あおき くれあ)を助けることができたのですが…。
バケモノと関係ありそうな謎のコインを持ったクレアと修一は第一話から早速別のモンスターに襲われます。
二人の狂気が初めて触れ合うプロローグ
ぬいぐるみを餌にエロで釣られた気分です。でも女の子が見ても、いやらしさはないと思います。純粋にモンスター系アニメとして成立しているからです。
弱気なのに犬のバケモノになってしまった秀才な男の子と両親と姉を失い時に狂気の沙汰を体現するクレアという女の子、二人のキャラクターが他には考えられないほどぴったりと決まっています。
まとめ
やはり、連続アニメは第一話が重要だと思います。この作品の場合、視聴者に何度も見てもらうことが目的でしょう、伏線が多いです。コインの謎、修一の背徳感、クレアの強気な態度、この先のストーリーに全部繋がっていきます。
次週にも、ずっと後のお話にも。1話でこのストーリーの根幹であるテーマ『二人で一つ』を見せないところも美学だなぁと思いました。
原作者の武田すん氏は天才だと思います。一つ一つの情報の並べ方があまりにもドラマティックです。引き続き第二話にも期待したいと思います。
文章:S.Shinichiro