アニメコラム

21世期版ガンダム『ガンダムSEED』スタイリッシュで美しい未来観に注目!!(2002年)

コズミックイラ15年、時系列は『機動戦士ガンダム』の宇宙世紀0079年からは完全に独立した世界の話です。万能の天才とも呼ばれる人類の医学の結晶「コーディネーター」が戦場で平和を求め戦い抜くストーリーです。

シリーズ第1作から23年経ち、「こんなにもデザインは進化するのか」と、驚くほどの進化を遂げた絶妙な世界観がストーリーを盛りあげています。

戦場で向かい合うかつての親友

主人公は「コーディネーター」であるキラ・ヤマトです。地球連邦軍に所属していますが、ライバルとなるザフト軍のエースパイロット、アスラン・ザラとは幼馴染みです。良き親友だった2人は、戦争で戦う運命を否応なく受け入れざるを得ない状況に立たされます。ザフトという集団は、「コーディネーター」により創立し活動を続ける団体です。

また、今作はヒロインが豊富で、特にラクス・クラインに注目すると、アスラン・ザラの許嫁であり、プラントの評議会議長シーゲル・クラインの娘という設定になっています。時に戦艦の艦長にもなるラクスは積極的で活発で、しかし、父親譲りの穏健派でもあります。

彼女を中心に戦場は平和への道筋を模索します。

カガリの圧倒的な存在感

後に放送されたSEED DESTINYを含め、SEEDシリーズ2作品に関して、ヒロインを務めることになったのはラクスとカガリです。

ストーリーを通してカガリの影響は強く最後の戦いで、自分もろとも宇宙の脅威「ジェネシス」を破壊しようとしたアスランに対して、「駄目だ!お前!逃げるな!生きる方が戦いだ!」というセリフを聴いた時には、鳥肌が立った覚えがあります。

富野氏の概念を上手く取り込んだストーリー展開

DESTINYに続く大きな布石として彼女達の献身的な政治活動は芽を出し始めます。『機動戦士ガンダム』では実際に戦争を経験した、富野由悠季氏(原作者)の息がかかった、シリアスで悲観的でありながら戦場に生まれる愛や、失うことの怖さが描かれていましたが、SEEDに関しては平和な現実との接点が多くなっている印象があります。

新世代に安心感を与えるコンセプト

『機動戦士ガンダム』と比較し、確かに戦闘シーンは多いのですが、何処か鬼気迫る部分がオブラードにかけられているというか、視聴者を甘やかしている印象が大きいのです。

新世代のスピリットを代筆しているということでしょう。なので、どちらの世界観もガンダムファンにとっては深く愛される作品になっている、というのは確かです。

艶やかなヒロイン達

ガンダムシリーズでは毎度のことですが、戦場に花咲くヒロイン達の姿が絶妙に美しいです。ラクス・クライン目当ての視聴者も多くいたことでしょう。

戦争という極限の空間で愛が紡がれることは、現代人にとっては勿論のこと、戦争を経験した年配の世代にとっても共感できるものだったかも知れません。

私達現代の視聴者は、平和の中で競争社会を生き抜き、愛を紡ぐ可能性を持っていることに感謝しなければならないと改めて思いました。

 

文章:Shinichiro.S

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