アニメコラム

京都アニメーションの代表作『聲の形』君に生きるのを手伝ってほしい(2016年)

出典:©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

元々週刊少年マガジンで連載されていた、山田尚子氏の漫画が原作であり、アニメファンの間で話題を呼び、熱望され、長編アニメーション映画に発展したものです。

海外でも約30カ国で上映され、これをきっかけに、京都アニメーションは世界的なアニメーションスタジオになったともいわれています。

過去への懺悔

物語の舞台はとある小学校の6年生のクラス。主人公の石田将也は同じクラスに転向してきた西宮硝子(にしみや しょうこ)に厳しい当たりを続けていました。硝子は聴覚障害だったのです。その当時は子供同士のじゃれあいのようにしか受け止めていなかった将也ですが成長するに従って、罪の意識を追うようになります。そしてついに、高校3年生の時に自殺未遂を起こします。思い留まった将也は、少し大人になった硝子と交流を再開するようになりました。しかし、今度は硝子の方が自殺未遂をしてしまいます。傷ついた青年達の心を解きほぐすのは、やはり絆と友情でした。

成長した大人達の孤独という穴を埋めてくれる作品

青春と「生き死に」をテーマにした映画作品は数多くあります。しかし、この作品ほど観客のニーズに符合し、パズルの最後のピースを合わせることに成功した作品は稀だと思います。誰もが抱える若気の至りや後悔は、大抵の場合、加害者の方が過剰に意識するものかもしれません。

人は傷つき、そしてその傷を癒し成長してゆくもの

傷つけても傷つけられても、傷を癒す度に深みを増す背中が大人になっていく証拠なのかもしれません。物語のクライマックスで、aikoさんの「恋をしたのは」が流れます。「迷わぬよう歩いて行けるたった一つの道標」という歌詞は正にこの作品の伝えたかったことを集約しています。

伝染する少女の純粋さ

見所は終始控えめな硝子の振る舞いとその純粋さに次第に気付いていく将也の移りゆく心でしょう。アニメという想像力と、それに伴う表現力の源泉で、人間にとっての究極の純粋さを垣間見ることができます。そして、人という生き物の心の強さは『絆』という新たな力を生むのです。

 

文章:Shinichiro.S

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