出典:© SOTSU ・SUNRISE
機動戦士ガンダムの生みの親「富野由悠季氏」が参加していない初めての作品です。またOVA作品ということでテレビでの放送がなかったのも特徴の一つです。Amazonなどで作品を購入することができるのでぜひ一度チェックしてみてください。
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』あらすじ
舞台はまだ1年戦争の末期の出来事です。北極の連邦軍基地で新型ガンダムの開発が行われていることを嗅ぎつけたジオン軍が機体を奪取すべくミッションを立ち上げます。しかし、連邦軍は機体を宇宙に送りジオンのミッションは失敗に終わります。
新型ガンダムのコードネームは「ガンダムNT-1」です。舞台はサイド6のスペースコロニーに移り、ジオンの追跡は続きますが、コロニー自体を核攻撃しようとしたジオン軍の艦艇はすぐに捕獲され、ことなきを得ました。しかし、主人公のアルがみた景色は爆散するザク改と大破したNT-1の姿でした。
『何を観て、何を感じ取るか…』
この作品は、悲惨な戦争の現実を目の当たりにした少年の姿を描いたヒューマンストーリーです。平和な世界ではモビルスーツのような高度な技術により開発された芸術品は子供達の憧れであり、興味の対象です。アルもまたその一人です。
興味本位から新型ガンダムの撮影を個人的なミッションとして、戦争の触りを覗き見たいという衝動に駆られたのですが、現実の戦争は多くの命を奪い合うために極端に合理化されたものでした。アルの住むコロニーは永世中立国です。
その一都市である「リポー」に新型モビルスーツが運ばれジオン軍との戦闘行為が起きたことは極めて反社会的な出来事でした。でも現実の戦争はテロリズムなどもあり、スイスだって日本だってリスクを負わずに政治が行われているわけではありません。こうした物語から観る人が何を感じ取りどう思うかは、老若男女問わず重要なことだと思います。
文章:Shinichiro.S