出典:©石坂ケンタ/KADOKAWA/「ざつ旅」製作委員会
◆「ネタになるから、不測の事態大歓迎!」
新人賞受賞したら、プロ漫画家になれると思った時期もありました・・・
ボツを喰らってばかりの漫画家志望の女子大生・鈴ヶ森ちか。
持ち込みするも、またしてもボツ。さらに雨にも降られ、ずぶ濡れ帰宅した最悪の日に漠然と思った。
「旅に出たい・・・」
SNSで行先を募って始まった、その名も「ざつ旅」
下調べ、宿泊予約など一切しない。
黒部峡谷鉄道は時期外れで、やってねえ!中尊寺金色堂は閉門時間過ぎてて、やってねえ!
オチが付けば何でもいいのか?鈴ヶ森くんはネタになるなら、何でもいいか?
どこにでも食事処があるわけではない

出典:©石坂ケンタ/KADOKAWA/「ざつ旅」製作委員会
海辺の町にやってきた。目指すは、海鮮料理のお店。だが、伊勢湾のこの場所には、食事処がねえ。電車に飛び乗り、場所を変え、名物料理が自慢のお店へアポなし突撃。
そんなお店の食事タイムは、たいがい観光客や地元の家族連れが賑わうのは仕方なし。
混雑する店内ですぐ空くとすれば・・・そう、あの場所。
「トイレ前へご案内~」
宿を予約しない
ただでさえゴールデンウィークなのに、旅行客が殺到する人気観光地へアポなし突撃したら、宿が当然のようにとれない!
しらみつぶしに旅館、ホテルを当たるが、どこも満室。
だが、奇跡的に部屋が空いていた!
喜ぶ鈴ヶ森くん一行。はたして喜んでいいのだろうか?
逆に、何で空いてるのか?気にならないのだろうか?
「オバケが出る、素敵なお部屋へご案内~」
仮に宿がとれなかったら?
「夜通し街を歩くのもいいかも」とは言うが・・・
うかつに公園のベンチで休息して、そのまま寝込んで朝を迎える・・・なんてことになると、奴らが来る!あの恐ろしい奴らが!
それは、地元町内会の「朝のラジオ体操」!
たちまち巻き込まれ、思わず体操に参加せざるを得ない、なんてことにも。
どんなアクシデントに遭おうとも、鈴ヶ森くんは笑ってる。旅にオチが付いたと笑ってる。顔に出さなくとも、腹の中で笑ってる。
友人のケンカを見て、マンガのネタにしてやろうと、ほくそ笑んでいる。
実際、読み切りマンガを描いて採用され、マンガ家への道を見事に切り開いてみせた。
これこそ「笑う門には福来る」
文章:ヒトツメロバ




































