出典:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会
◆いざ、鎌倉?いざ、夜逃げ?
1333年、謀反が勃発し、鎌倉が落とされた。
鎌倉幕府執権北条氏の一族郎党が次々と討たれ、世継ぎである北条邦時(ほうじょう くにとき)もまた味方の裏切りで捕縛され、斬首された。
邦時の異母兄弟で8歳の北条時行(ほうじょう ときゆき)もまた、残党狩りに追われる中、味方と称して近づいてきた男に「北条の子だー!」と、断崖絶壁から残党狩りの敵陣のど真ん中に放り込まれる。
だが、時行は軽快に身をかわし、逃げ回り、あっという間に元の場所へ「死んだらどうする?」と生還してきた。以後、男が治める信濃の国で、故郷鎌倉奪還を目指して牙を研ぐ。
時行殺害に失敗した男は、諏訪大社神官・諏訪頼重(すわ よりしげ)。
彼は、自身に未来を見通す能力があると豪語する。どこまで見えているのか?
愛護団体からのクレーム
新しく信濃の国の守護として赴任してきた小笠原貞宗(おがさわら さだむね)と領地を賭けて犬追物で対決。逃げる犬を矢で射て得点を争う競技が、途中から小笠原氏と時行の直接の射掛け合いに発展。
この勝負、未来が見える頼重にとっては結果など、どうでもよかった。
幕の外で頼重が頭を抱える心配事とは、
「動物愛護法を持ち出してのクレームはどうかご勘弁を・・・」
時行の脱走

出典:©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会
諏訪頼重によって時行の身辺警護を任された亜矢子。彼女は怪力な上に、剣術に優れる。
そんな亜矢子に剣術稽古をつけられながら「今は守られているけど、大人になったら守る側になるんだ!」とすっかり亜矢子に篭絡された様子の時行。
だが、その時になったら、逃げ上手を発揮するかも。そのために亜矢子の怪力でしっかり掴まえてもらわないと?
21世紀まで見渡している
時行の寝所に入り込んで仕掛ける「寝起きドッキリ」や日本地図すごろくでキングボンビー人形を用意する。さらに3人の巫女たちに和楽器をギターのように持たせ、ガールズバンドのように歌い踊らせる様は21世紀も見えている。
武芸の稽古をさぼるための逃げ技が幸いして、生き延びた時行。
そのうち気が変わって、北条の跡取りという立場からも逃げるかもしれない。
一方「2年後、10歳になった時行殿は、天地を揺るがす英雄になる」とおだて、信濃で力を蓄えさせ、鎌倉奪還に向かわせたい頼重。
失敗する未来が見えていて、鎌倉奪還に向かわせたい狂った頼重。いつか口を滑らせて「中先代の乱」とか言っちゃうの?
文章:ヒトツメロバ