出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA
前職時代に、某有名アニメ音響監督さんに僕のシナリオを仕切ってもらったことについて書こうかと思ったんですが、我ながらしょっぱい思い出なので(挨拶)。
と、いうわけで、フジカワです。
梅雨はまだ明けてないんですけど、そろそろ暑いのはいいとしても、ジーパンが地味に分厚く感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は、「『地獄楽』第十話の感想!」とかいった話です。
あらすじ
天仙の襲撃を、メイによって逃れた画眉丸。
巌鉄斎と付知に遭遇してしまうのだが……?
画眉丸VS巌鉄斎
さて。全話で巌鉄斎に遭遇し、「殺(や)り時か?」などと目を付けられた、我らが画眉丸。
当然、むざむざ殺されていては、今後の話が続きません。
しかし、巌鉄斎の強さを理解した上で、当初は画眉丸も牽制をしあいます。
そりゃそうですよね。なんせ競争相手です。
画眉丸自身も重傷を負っていますが、差し違えるケースも考える。
ただ、そうなると「生きて帰って妻に会う」という目的が達せられない。
巌鉄斎に膝を折り、頭を下げて、画眉丸は共闘を申し出ます。
その前に、天仙についての情報を提供するのですが、巌鉄斎も付知も、反応が斜め上。
巌鉄斎は「強い奴」にしか興味がなく、付知は「斬っても焼いても死なない奴」と聞いて「解剖したい!」と言い出す。そこかよ、お前等。
そうこうしているうちに、助けられたはずのメイを見ると、なんか知らんうちに成長している。なんぞ!? と思えども、「女体の成長の神秘」で片付ける巌鉄斎。いいのか、それで。
メイに、天仙について教えてもらおうとするのですが、大変言葉がたどたどしいので、わけが分からない。
唯一、「氣(タオ)」というキーワードだけは拾えるのですが、なんのこっちゃらが不明。
その頃、佐切達は?
蓬莱へ向かっている佐切達。杠は「画眉丸も死んでるんじゃ?」と軽く言いますが、それには同意せず、生存を信じている佐切。
その口元の表情から、悪くはない方向と思しき、複雑な感情を画眉丸に抱いている様子が察せられます。
ともあれ、仙太が「この神仙郷は本物ではなく、人為的に作られた場所であり、創造主がいる」という推論を述べます。
曰く、複数の宗教が表層的にツギハギされているあたりが怪しい、とのこと。
視聴者としては、その「創造主」がいたとして、天仙以上の存在であろうというのは察しが付くのですが、こんな後半で分かってどうするよ? とは思います。
仙太の推論について、木人は特に何もリアクションがないのですが、「氣(タオ)」についての説明をします。
ただ、杠が言うまでもなく、具体性がないので、全く分からない。
「分かりやすく説明してくれる、イケメンがいないかなー」とぼやく杠ですが……
士遠とヌルガイは?
次に、士遠(イケメン)とヌルガイのシーンが。
士遠は目が見えないわけですが、ちゃんと「見えて」いる。
「波」を読んでいるということをヌルガイに説明するのですが、理屈は「氣(タオ)」のそれと似通っている。
は、いいとして、典坐の仇を討つために、士遠に教えを請おうとするヌルガイなのですが、士遠は首を縦に振らない。
士遠は彼で、ヌルガイのことを心配して……ですが、彼女も譲らない。
結局、「学びたければ勝手に盗め」という趣旨を述べる士遠。ヌルガイも飲み込みが早いのか、教えの通りに刀を振るい、クリーチャーどもを撃退していきます。
弔兵衛と桐馬が!
他方、弔兵衛と桐馬は? というと、天仙に落とされた穴の中から、弟を背負った兄が、死に物狂いで這いだしてきた!
しかも、穴の中には花と化した人間がびっしりであり、逃げようとする者を引っ張ってくる。
それを振り切り、かつ、口には刀をくわえ、背中には弟を連れての脱出です。パネエっすよ弔兵衛さん。
「化け物をブチ殺す」ことに炎を燃やす弔兵衛。彼がすごいのは、天仙と戦った折、「上半身を切っても、下半身から再生したから、弱点はそこだ」という点に気付いたところ。
兄の分析力の高さに、一人感動する桐馬。うん、分かるよ、修羅場でここまで頭が切れりゃ、誇れるレベルだもんな。
桐馬が「(感動を)噛みしめている」と言うと、「スタミナを付けるために、化け物の肉を食う気になったか」と嬉しそうな弔兵衛。違う、そうじゃない。
そんな弔兵衛が、化け物(より正確には、花と化した人間)の腕を食わんとかじりつこうとしていた時! 新たなクリーチャー共が襲ってくる!
しかし、そんな中に、少し違った様子の人物(?)が。
曰く、「天仙様の右腕」である「道士」とのこと。弔兵衛達に「おとなしく穴に戻れ」と言うのですが、そんな話に乗るわけがない。
戦闘になるのですが、重傷を負っておりながらなお、信じられない程の力を発揮する弔兵衛に、「氣(タオ)に目覚めたか?」と驚く道士。
それが真実か、また、何をして「目覚めた」とするか? が、伏線ですね。
しかし、「氣(タオ)」の流れを読める道士に、弔兵衛は苦戦し、さらなる重傷を負わされます。
野暮なツッコミ
……つか、画眉丸にせよ弔兵衛にしろ、これまでのバトルでめっさ派手に大量出血し、複数箇所を骨折していてもおかしくないのですが、フツーにまだ戦闘が続行できるあたり、なんでなん? とは思うんですが、まあ、フィクションですし。
さて、ここで画眉丸のシーンに戻るのですが、巌鉄斎と共闘の約束をした直後、クリーチャーと、道士の姿が。
さあどうなる!? というところで、次話へ続きます。
まとめ
ってことで、まとめます。
今話は、現状で生き残っている登場人物達全ての話が進みました。
そのせいで、結構濃厚だったように思います。
しかし、前話で画眉丸と交戦した天仙の朱槿(ヂュジン)。
画眉丸の攻撃が効いた描写があったのですが、振り返れば、下腹部でした。
つまり、ヘソの下の丹田、いわゆる臍下丹田(せいかたんでん)であり、「氣(タオ)」の源。
攻撃が入ったのはたまたまでしょうが、そこが弱点であろう事は、今話で説明が付けられました。
さて、この『地獄楽』も、当たり前の如く、第二期の制作が決まりました。
そりゃあ、残り三話でケリが付けられるはずもないですからね。
僕は原作を知らないわけですが、シメまでやってほしいもんです。
んじゃまた。
文章:フジカワ