出典:©賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA
あらすじ
毒に倒れた佐切を待っていたのは、兄弟子の源嗣からの「女は帰れ」という言葉。
侍と女…相反する生き方に苦悩する佐切。その頃、浅ェ門の典坐は死罪人ヌルガイと共に島から脱出すべく舟を出すが…。
女であること
日暮れ。源嗣は佐切に舟を本土に帰れと告げる。
「お主は侍である前に山田家の娘だ。女には次期当主と結婚する勤めがあろう」
「拙者の代わりであれば上意にも背かんはずだ。今のお主では死ぬ。帰るのだ佐切」
源嗣の言葉に“武士の使命”と口にして対抗する佐切だったが、源嗣は一歩も退く事は無い。
処刑の技前は認められている佐切だが、“戦の技前”に関しては力不足だと言われる佐切。
源嗣の言葉に佐切はまたも、自分の生き方を問われるのだった…。
典坐と死罪人
典坐は死罪人・ヌルガイを連れて島を脱出しようと舟を出す。
「だいたい、このまま島から帰れても仙薬がなきゃどうせ死罪だろ」
「そんなもん自分がお上を説得すっから大丈夫っす。自分を信じて。必ず君を帰しますよヌルガイくん」
そう口にする典坐とヌルガイの前に、大きな船が姿を現す。
しかし、その船たちは“島を脱出”しようとして沈められた残骸たちだった。
そして、典坐とヌルガイの前に異形の怪物が姿を現す。
あっという間に囲まれてしまった2人。そして目の前で島から逃げようとしていた期聖の凄惨な死を目撃したヌルガイは“生きる事”を諦めようとしていた。
そんなヌルガイを守りつつ“諦めない” 典坐は、何度もヌルガイに問いかける。
「ぼちぼち限界っすよ。自分スタミナないんで!いい加減に説明してくれ!じいちゃんとか村とかじゃなくて君自身が死にたいかどうかを!」
典坐に何度も心を揺らされたヌルガイは、遂に本心を口にする。
「死にたくなんかないよ。山に帰りたい」
涙を流しながら口にするヌルガイの姿を見た典坐は、ヌルガイを真っ直ぐな瞳で見ながら口にする。
「それならやる事は1つでしょう。何が何でも生き延びろ!」
絶望的な状況の中、ヌルガイも剣を取り異形の怪物と対峙するのだった…。
全体的な感想
侍である事と女である事…本当に難しいですよね。
女性にしか出来ない事もあるとは言え、女性であるからと言って“人生”を決められるのは嫌すぎですし…。
自分の生きたいように生きるのが一番ですからね。そう言っていられない状況だとも思いますが…。
典坐とヌルガイの方を見ていると、どのみち島からの脱出は一筋縄ではいかないようですね。
それにしても、典坐がかっこよすぎでした。
バカだと言いますが、これだけ真っ直ぐなバカは最高に良いと思います!
人として純粋に尊敬できるし、純粋にかっこよさが伝わるので…典坐のことはかなり好きになりました。
このまま典坐とヌルガイには生き延びて欲しい所です…。
文章:クラッシャー佐藤