出典:©ナガノ/ちいかわ製作委員会
ちいかわとは?
なんか小さくてかわいいやつ。略して『ちいかわ』。
その名の通り本作品は、小さくて可愛い生き物達の日常を描いた作品です。
ビビりだけど友人想いで、勇敢な一面もある『ちいかわ』。
活発でマイペースで、食欲旺盛なムードメーカー『うさぎ』。
コミュニケーション能力が高く、心優しい『ハチワレ』。
この3人のやり取りをメインにストーリーが進んでいきます。
『可愛いキャラクター達の日常を描いた作品』と聞くと、ほのぼのとした癒し系作品のように思えますが…?
不思議な食べ物事情
第1話はうさぎが非常に大きなプリンに飛び込んだり、ちいかわとうさぎが非常に大きなホットケーキを2人で食べたりします。
自分の身体よりも大きな食べ物を思いっきり食べるシチュエーションは、とてもメルヘンで憧れますね。
この世界にある食べ物は大きな物ばかりなのかと思えばそういう訳でもなく、ブロッコリーや駄菓子、袋麺などの標準サイズかつ現実的な食べ物も出てきます。
15話までは基本的にちいかわ達が何かを食べたり飲んだりするお話がメインで、平和な雰囲気ですが…。
キメラの襲来
16話は初っ端から雰囲気が今までと違います。
普段通りに過ごしているちいかわの元に、虫のような羽が生えた不気味な生き物『キメラ』がやって来ます。
泣きながら「こんなになっちゃったぁ…」と言うキメラ。
すると突然長く鋭い爪を剥き出しにし、ちいかわに襲いかかってきます。
ちいかわが必死に反撃したお陰でキメラは諦めて帰っていきましたが、もしちいかわが負けていたらどうなっていたのでしょうか…。
考えただけでゾッとします。
少しずつハードになる世界観
ちいかわ達は基本的に日雇いで労働をし、その対価で報酬を得て欲しい物を買っています。
労働の斡旋を行う『鎧さん』というキャラクター達もいます。
労働の内容はシール貼り、草むしり、そして『討伐』。
ちいかわ達の世界には先述した『キメラ』のような攻撃的で危険な生き物が住んでいます。
簡単に言えばちいかわ達の敵です。それらを退治するのが『討伐』の仕事内容です。
ちなみにドアが無い洞窟で暮らしているハチワレは、危険な生き物達に何度も住処を侵入されているそうです。
そもそも何故そんな危険な場所にハチワレは暮らしているのでしょうか?謎です。
他にもちいかわ達の脅威となる存在があります。
振ったら呪いのアイテムが出現する謎の杖や、人形とちいかわ達の身体を入れ替える能力を使う魔女など。
ある意味メルヘンチックではありますが、憧れはしないですね。
かわいいからこそ”毒”が映える
『ちいかわ』の絵柄はほのぼのと可愛らしく、幼児向けのキャラクターアニメを彷彿とさせます。
しかし蓋を開けてみると、かなり現実的な要素もあり厳しい世界観です。
それでも日々を懸命に生き抜くちいかわ達。ゆるいキャラデザも相まって、思わず応援したくなります。
勿論ハードなエピソードばかりではなく、ちいかわとハチワレの友情が描かれた心温まる感動的なエピソードも沢山あります。
可愛い絵柄に反してシビアな世界観。シリアスとほのぼのが混在した作風。
このギャップが『ちいかわ』という作品の大きな魅力の一つだと思いました。
文章:藤川汐見