出典:©白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会
原作は「のうりん」の白鳥士郎、挿絵は人気イラストレーターしらびです。
このアニメはGA文庫のライトノベルを原作としてproject No.9が制作、2018年冬に放送されました。この原作は将棋ペンクラブ大賞を受賞しています。
竜王の弟子は女子小学生
このアニメの主人公は将棋のタイトル「竜王」に史上最年少の16才でなった棋士九頭竜八一(くずりゅうやいち)。
時は春、彼は竜王のタイトルを獲得した後、公式戦で11連敗と絶不調。そんな時に小学校3年の女子生徒雛鶴あい(ひなつるあい)が家に訪れます。彼女は八一が竜王のタイトルの棋戦で出会い、彼女の言うことを何でも聞いてあげると発言。
そして彼女は八一の竜王戦を見て彼にあこがれ、彼の内弟子にしてくれと言います。彼はその事を覚えておらず、弟子にする事を断ろうとして彼女と将棋を一局指します。ところが彼女との一局は竜王になったあとで久々に味わう甘美な将棋でした。
そんなあいは彼に弟子入りするまで将棋を始めてまだ3ヶ月。ですが規格外のスペックを持った化け物小学生でした。八一はあいを弟子にしたことにより彼の将棋もまた変わり始めます。そして彼の弟子として彼女は研修会に入って女流棋士になろうとします。
他にも個性的なキャラがいっぱい
JS研(女子小学生の研修会)の三人、水越澪(みずこしみお)、貞任綾乃(さだとうあやの)、シャルロット・イゾアール(通称シャルちゃん)、八一の姉弟子で女子中学生の女流2冠のタイトルを持った空銀子(そらぎんこ)、彼の師匠清滝鋼介(きよたきこうすけ)、鋼介の一人娘で女流棋士を目指す清滝桂香(きよたきけいか)、八一があいの次に弟子に取る夜叉神天衣(やしゃじんあい)などを交えて進むのです。
クズ竜王と呼ばわりされようとも格好いい
八一はシャルちゃんが舌足らずの口調で彼の弟子になりたいと言い出した時「弟子には出来なくても俺の嫁にしてあげる。」発言などで周りにロリコン認定を受けてしまうなど彼の情けない所も面白いです。
彼はあいや姉弟子の空銀子が向けている恋心にまったく気づかず彼女達に対してとる態度は鈍いと言う一言では語れない残念な物です。しかしあいの師匠として彼は「敗者を思いやれない人間は自分が敗者になった時すぐ折れてしまう。」「勝つ事を恐れるなら何も苦しむ事は無い。荷物をまとめて田舎へ帰れ。」等と言い勝負師としての厳しい一面も見せます。
この物語では彼らが将棋を指す時はいつものコメディー色は薄れ非常に緊迫したシリアスな物に変化します。
筆者は原作を読んではいるが将棋の事は全く知らない素人です。この作品では将棋の専門用語が多数出て来ます。また将棋界の独特の制度、奨励会や研修会そして女流棋士の地位なども語られています。そう言う作品ですがそれでもすんなりと楽しめる物語に仕上がっています。
文章:harry.