主人公は蛇喰 夢子(じゃばみ ゆめこ)という女の子です。実写版では浜辺美波さんが演じていました。この作品、印象としては『東京喰種』を思い出す人も多いと思います。賭け事なんて厳かにやるものだろうとタカを括ってみるとささりにささります。
セレブリティーの学園に巻き起こるギャンブルの嵐
とある高校では賭け事によりカースト制のような差別が蔓延し、誰もがサバイバルのような賭けを行っていました。序盤から数百万円、数千万円、数億円と規模が一気に上がる賭けによる借金の渦に身を落とす生徒達、パニック映画のような強烈なインパクトを持つ唯一無二の賭け事アニメです。
政財界など様々なセレブが入学させたがる私立百花王学園が舞台なので、『花より男子』を思い出す人もいるかも知れません。好きな俳優がいるから、とかストーリーがシンデレラストーリーだからという理由を抜きにして世俗と戦う女の子の物語としてこの作品の魅力に取り憑かれる人も多いと思います。筆者のように、ギャンブルはしないと強い信念を持っている人でも十分にハマるストーリーです。
魅力的なキャラクター
ギャンブルを完全にエンターテイメントとして描いているこの作品は『カイジ』などの従来の賭け事アニメの持つスリルを超越しています。実写版では松田るかさんが演じた皇伊月(すめらぎいつき)が筆者のお気に入りのキャラクターです。風紀委員長でありながら、大手玩具メーカーの令嬢(一人娘)だという設定が、もう、スリルです。このやさぐれたカオスのような学校で彼女の振る舞いは、一つの独立したドラマを見ているように深く、明るさと共に、ヒロイン気質が伝わってきます。また、作品全体の描画表現が似ていることもあり、東京喰種の鈴屋 什造(すずや じゅうぞう)に似た印象があることも、高感度?(興味のような不思議な感覚)を持つ理由の一つです。
彼女の心境の変化からは学ぶものが多いと思います。日本のサブカルチャーを代表するキャラクターに育ってほしいと思います。
天国と地獄
天国と地獄を賭けにより分かつアニメはカイジ以来だと思います。2017年にテレビアニメ化されたこの作品の魅力は崩壊寸前の学園生活にも勝者がいて、しかし、突然に勝者は敗者にも成り代わるということです。そんな中で屈辱とは無縁なのが主人公の蛇喰 夢子です。天性の才能で賭けに勝ち続ける姿は興奮の向こうにある感動まで呼び覚まします。
制作サイドを見ても、まあ、よくこれほどまでに”一か八か”を壮大なドラマに押し上げたなと感心するほど完成度の高いアニメです。
まとめ
圧倒的な存在感を放つ主人公・蛇喰 夢子と彼女の手によりどん底に落とされるリッチ・ウーマンの皇伊月、この二人のやり取りからあなたは何を学び何を捨てるのでしょう。
ストーリーは常に緊張感たっぷりの鬼気迫る(学園という名の)戦場にあります。人間性というものを深く掘り下げた名作だと思います。
文章:Shinichiro.S