出典:(C)2008 タツノコプロ/キャシャーンSins Project
不純な力によって荒廃しきった世界を舞台にした作品で「悪意の浄化」がテーマです。ヒーローものかと思わせながら、実は主人公が世界の秩序を脅かす悪の組織のエースだったことがこの作品に巨大なカオスをもたらします。
シリアスなストーリー
遠い昔、世界は人造人間によって支配されていました。そんな世界で、「ルナ」という少女が現れます。人類はその子を「月という名の太陽」と呼び救済を願います。しかし、彼女の息の根を止めたのは悪の組織の人造人間・キャシャーンでした。時は過ぎキャシャーンは先の戦いを含むほとんどの記憶を失っていました。幾年ぶりに目覚めてから次々に襲いかかる難敵を倒し、かつての記憶を取り戻そうとするキャシャーンの葛藤の日々を描いた作品です。
混沌とする荒廃した世界
古代の世界で人間界を支配していたブライキング・ボスの刺客が3人「キャシャーン」「ディオ」「レダ」といいます。
ブライキング・ボスは数百年かけて荒廃した世界で支配者を引退し、荒野をさまよっていました。そしてキャシャーンにルナの殺害を依頼したことを悔いている様子もあります。
一方、ディオとレダはキャシャーンの秘密を暴くことにより世界の荒廃を止め、かつてのようにロボット軍団を組織しようとしています。
無力さに対する共感を誘うキャシャーンの運命
印象的なのは世界の滅びの原因が自分だと知った時に苦悩するキャシャーンの姿です。何よりこの星は人間が住むためにできた世界です。記憶を失ったキャシャーンに人間としての本能が疼いていることがポイントです。自分が人造人間だと知った時の絶望と使命感には要注目です。
文章:Shinichiro.S
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