出典:©BONES / Sony Computer Entertainment Inc. , Aniplex
株式会社ボンズ(BONES)が原作を担当したこの作品はデザイン面で宮崎駿監督の「もののけ姫」や「風の谷のナウシカ」に強く影響を受けたと思われる作風が当時話題になりました。主人公は竹原アキユキとナキアミの二人で構成さています。
『亡念のザムド』あらすじ
尖端島に住む男子高校生竹原アキユキは、白髪の少女・ナズナを助けますが、彼女が起こしたテロ爆破事件で被害に遭い右腕がヒルコという呪縛に寄生され、ザムド化されてしまいます。このザムドというのは人間性が乖離したバケモノの姿になることです。間一髪のところで彼を助けたのがナキアミです。
そのまま家族に別れを告げることもなく、ザンバニ号という船に乗ることになりました。船が襲撃された後はナキアミと共に旅をすることになります。
『ジブリ作品からの影響が大きい』
まず、このアニメの凄みはデザイン性が卓越しているしているところでしょう。ザムドという状態は概念的であり、科学では証明できない状態であり、宗教的観念でのみ語られることです。ナキアミはテシク氏族の娘であり、彼女の故郷である聖地にたどり着くことで人々のザムド化を沈静化させようと旅に出ます。
テシク族は昔からヒルコの扱いに長けており、アキユキのことも度々癒します。絶望するアキユキに「生きたいと願ったのはお前だ、考えろ」と言いアキユキが我に帰るシーンは見所の一つです。神話的なストーリーは、ジブリ作品に大きく影響を受けていると思われ、聖地でのシーンは「風の谷のナウシカ」の原作漫画のラストシーンを思わせます。
ザムドという非人間性との共存をテーマにしたこの作品は精神的な意味で重要な問題提起をしていると思います。
文章:Shinichiro.S