アニメコラム

劇場版第13作目にして史上最強のオリジナルストーリ ー『ONE PIECE FILM GOLD』をご紹介

出典:(C) 尾田栄一郎/2016「ワンピース」製作委員会

ワンピース劇場版第13作目は、グラン・テゾーロという巨大カジノ船を舞台にしたアクションアニメーションです。

サウザンドサニー号で船長のルフィー達が乗り込んだのは巨大な母船 『グラン・テゾーロ』です。そこにはゴルゴルの実の能力者ギルド・テゾーロにより「ゴールド」一色に彩られたカジノがありました。今作は能力者ではないゾロが、能力者であるテゾーロに人質に取られるなど、王道的な設定がなされています。ストーリーとしては航海士のナミを中心にワンピース史上類を見ない頭脳戦になります。

 

ワンピースのアニメは子供向けと思われがちですが、意外と集客率が成人層にまで及ぶのが特徴です。制作は東映アニメーションとフジテレビで、もともと単行本が 90巻を過ぎた時点で売り上げ4億5000万部を突破するなど大ヒットしたもので、毎週日曜日の朝にフジテレビ系列でTVアニメとして30分番組が放映されています。

このフィルムゴールドという映画は、海外でも人気が高く、33の国と地域で放映さ れました。興行収入が 51.8億円と『ワンピース フィルム Z』に継ぎ 13作中 2位を獲得しています。

『ONE PIECE FILM GOLD』あらすじ

舞台は新世界。グラン・テゾーロという巨大母船を訪れた麦わらの一味は、黄金で彩られたカジノに迎えられる。そこは世界政府公認の「独立国家」だった。テゾーロは賞金首のルフィー達が来たことを歓迎し、2000万ベリーを貸し出します。コンシェルジュのバカラの案内で最高級カジノホテル「THE REORO」に到着した一行は、強運の持ち主、ルフィーを中心にカジノで儲けまくります。

資金は膨れ上がり5000万ベリーになりました。さらにVIPルームに通された麦わらの一味は、そこでも勝ち続けます。そこで、カジノ母船の船長であるギルド・テゾーロ が現れます。テゾーロは自分に勝ったら掛け金10倍、負ければ全額没収という賭けを提案する。しかし今まで一味を案内してくれていたバカラは、触れた者から運気を吸い取る、ラキラキの実の能力者だったのです。

 

ルフィーの強運も尽きて、賭けに負けてしまいます。一連の出来事に反発する麦わら一行はナミが反発し、ゾロがテゾーロに切りかかります。すると状況は 一変します。ゾロは、ゴルゴルの実の能力により、封印されてしまいます。まるで剥製のオブジェのように身動きできないゾロはテゾーロの人質となり、明日の夜10時までに金を用意できなければゾロを公開処刑すると迫られます。

麦わらの一味はナミの旧友カリーナと出会いテゾーロマネーと呼ばれるテゾーロの財産を狙います。更に、伝説のギャンブラーである革命軍のメンバー「レイズ・マックス」と共にゾロ奪還のプロジェクトは推し進められることになる。

『正義の物語』

偉大なる航路の果て「ラフテル」を目指す麦わら海賊団にとって最強の敵が現れました。世界政府公認のカジノ施設『グラン・テゾーロ』は、圧倒的な財力を持つ資本主義国家でありながらラキラキの実の能力者の存在など、かなりの闇を持ち合わせています。ゴルゴルの実の能力で金塊を大量生産できるにも関わらず、カジノという巨大ゲーム施設で客人にお金を賭けさせるあたりのセンスが絶妙にサディスティックです。

グラン・テゾーロが反社会的組織であることはまぎれも無い事実であり、「仲間を助ける為に結果的に正義の鉄槌をくだす」ワンピースの醍醐味は変わりありません。この物語は『海賊なりの正義』を強く訴えかけていて、麦わら達に感化され立ち上がろうとするカリーナとレイズ・マックスの変貌する存在感にも注目です。観ている人に、真っ直ぐな目で他人の心を信じる者には必ず福が巡ってくることを学ばせてくれる作品です。

 

結果的には能力者としてのギルド・テゾーロはほぼ無敵といっていいのでしょう。明らかな格上相手でもなんとかしてしまうのがルフィーであり、麦わらの一味です。 ギルド・テゾーロという資本主義者の心に、その正義観がどれほど響いたかわかりませんが 『海賊王になる男ルフィー』の圧倒的な存在感は健在です。

オリジナルストーリーとして完成度が非常に高い

能力者として圧倒的な支配力を見せつけるギルド・テゾーロと対峙する麦わらの一味は、相変わらず敵に背を向けない。テゾーロは世界政府さえ動かす力を持っており、「史上最高額の天上金」により天竜人さえ一目置く存在です。

そんな相手を敵にまわし、海賊として 1番ダメージとなるゾロという名剣士の処刑宣告が始まった。今作は一つのオリジナルストーリーとしての 完成度が非常に高く、TVアニメ版との兼ね合い、時系列も順序よく決まっています。

グランテゾーロという巨大母船の中で何度も行き詰まる一行は一つ一つ丁寧に難関をくぐり抜けます。 中でもレイズ・マックスの生き様は感動を覚える見所の一つです。

 

文章:Shinichiro.S

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