出典:©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会
あらすじ
お互いの武器を理解し合い高め合う事で、ゴールへの道筋を無数に描き出していく潔と凪。
対して、さらなる進化を魅せた千切を中心に、國神、玲王も奮闘し、フィールド上では一進一退の攻防が繰り広げられる。
そんな中、フィールドの王様であるはずの馬狼は強すぎる“エゴ”故に進化の連鎖から取り残されていた。
さらに、かつて圧倒した潔にフィールドの主役を奪われ、敗北を刻まれた事により、馬狼はついに膝をついてしまう…。
初めての絶望
幼少期から常に周りを圧倒して、フィールドの王様として君臨していた馬狼。
フィールドは自分の為にあると考え、己のゴールでサッカーに命を懸けてきた人間を主役の座から引きずり下ろす…。
この快感を味わう為だけにサッカーをしていた馬狼が、今はじめての敗北感と絶望感を味わっていた。
「なんだ?この…心臓がギュッとなるみたいな絶望は…これが…敗北ってやつか…」
「あのパスは…出したんじゃなく、出さされた…あの瞬間、俺は潔世一に負けたんだ…」
かつては圧倒した潔にひれ伏す事となり、落ちた王様となった馬狼は己を失いかけていた…。
悪役
落ちた王様である馬狼にボールが渡り、潔と凪にパスを出せばゴールへのピースとなれる場面が訪れる。
「初めての感覚だ…こいつらは俺に、ゴールへの道筋を見せつけてきやがる。わき役として今、パスを出せば勝てる」
「今の俺には、お前らは眩しすぎるんだよ…ああクソ、そういう事だったんだ」
今まで敗れて行った選手の心を理解した馬狼は、パスを出そうとするが…足が止まる。
馬狼は足が止まった瞬間、後ろから得体の知れない何者かに纏わりつかれている感覚を覚える。
消えた自分がいる未来を見据えた馬狼は、ここで“覚醒”を遂げる。
チョップフェイントと鋭角ドリブルを駆使して國神、玲王、千切を圧倒する馬狼。
「お前らが主役なら、俺は…その光を喰らう。悪役にでもなってやる!」
全ての選手を置き去りにした馬狼はシュートを放つ。
そのシュートは見事、ゴールへと突き刺さり…。
全体的な感想
今まで上手く行っていた人生が、突如として欠落。
そりゃとんでもない絶望だったと思います。
普通の人なら絶望に苛まれて復帰出来ない可能性が高いのですが、馬狼は瞬時に復活。
そして覚醒まで遂げました。素直にかっこいいです。
弱い自分を含む全てを喰らい殺し、突き進む馬狼の姿は…最高にエゴいですね!
しかし、今回一番筆者が気になったシーンは馬狼の覚醒ではなく、玲王の絶望している顔が見えるシーンでした…。
玲王もまた、絶望の中を彷徨っているので…どうにかして救ってあげてほしいですね。
自分で立ち上がれるのが一番ですが、基本的に人は弱い。
今まで信じていた凪にまたもや、力の差を見せつけられてしまった玲王の精神が心配です…。
文章:クラッシャー佐藤