出典:©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会2020
無類な本好きの本須麗乃(もとす うらの)は崩れてきた本の下敷きになって命を堕とし、マインとして世紀末・・・、もとい異世界に転生した。
この世界で本は、お貴族様しか所有できない貴重なもの。
それでも本を探し求め続けたマインが辿り着いたのは、神殿だった。
本に満たされた図書室を見たマインのその顔は、まるで有情破顔拳を受けたときのよう。
だが、マインの本への欲求は、それだけでは満たされるものではなかった。
忠誠を誓え
フェルディナンド神官長に取り入り、貴族しかなれないとされる青色巫女見習いとなったマイン。
それに対して、反発していた側仕えたちや灰色巫女見習いたちも「読書で得た知」の前には逆らえず、いつしか
「俺の名を言ってみろ」
「マインさまー」
と忠誠を誓わせられる。
孤児院に目を付けた
「孤児院が気になって、読書に集中できない」とフェルディナンド神官長に取り入り、孤児院長となったマインはついに、本の覇権を目指しはじめた。
「働かざる者、食うべからず」と孤児たちを使役し、本作りに駆り出したのだ。
子供たちによって、やがて本が山のように積み上げられていくことだろう。
反旗を翻し者(レジスタンス)ついに現る
その名はシュウ・・・ではなく、シキコーザ。
護衛としてマインに付いていたものの、その平民上がりなのに傲慢な態度が我慢ならなくなりマインに剣を向ける。
だが、そのマインの体に流れる聖帝の血・・・ではなく魔力の血によって突如出現した魔木トロンベによって、マインを討ち損ねてしまった。
こうして、シキコーザは、血の粛清(しゅくせい)を受けることとなる。
そこは孤児院と言う名の聖帝十字陵。
今後、救世主の登場によって、聖帝十字陵という本の山は崩され、マインは再び命を堕とす未来があるのかもしれない。
または、その救世主の命を土台に聖帝十字陵は、盤石のものとなるのかもしれない。
文章:ヒトツメロバ